80年代後半から2002年までOvation の代理店(中尾貿易)で修理をやっておりましたので、こちらもそうですが90年代のOvation は全て見たと言ってしまいます。
木のトップとは違い、硬いのでトップは割れず、バインディングを突き破って、トップが剥がれています。
80年代後半から2002年までOvation の代理店(中尾貿易)で修理をやっておりましたので、こちらもそうですが90年代のOvation は全て見たと言ってしまいます。
木のトップとは違い、硬いのでトップは割れず、バインディングを突き破って、トップが剥がれています。
先頃修理した、エクステンション付きのJ-200 の少し年代が進んだJ-200です。
こちらは過去にネックリセットしてある事が分かりましたので、通常通りネックを外しました、この過去の修理者ご丁寧にまたトップをふさぎ直してセットしてあり、それなら外れないはずなのに破れて、外れました。
エクステンション付きJ-200 ← こちらを見て頂ければ、どんな様子か分かりますが、またトップを塞いでしまうのは、オリジナルに忠実にと言う意図だと思うのですが・・・。
管理の良いオーナーに渡っていけば、修理はせずに状態はキープ出来ますが、この先20年後、30年後、もっと先、修理をする可能性を考えてくれれば、また塞いでしまわないでしょう。
「アコギは、必ず修理して時代を渡る。」 という事に思いが及んでないか、考えていないか、と言う修理ですね。
ネックに角度をつければ、ジョイントから指板が下がりますので、厚みをつけますが・・・段差がついちゃって・・・
この修理者、私のように悩まず、構造を熟知して上手くネックを外しているのですが、その先が塩梅よくないです。
この時代のJ-200 の特徴は、トップミュート が仕込まれているところです。
ボディ内に横にバーを渡してそれを介してトップにステーが当てて有ります。
ちょっと画像が分かりづらくてすいません、(鏡に映しています。)ブリッジよりサウンドホール寄り当たっているのが分かるでしょうか。
それでトップの状態をキープ出来ると言う訳です。
当然音にも影響がありますが、これはこれで独特のサウンドです。
ネックを外す際は、蒸気を使いますので、なるべく早く外してやらないと塗装が焼けてしまいます。
特にこのようにヒールが太いヤツは、外れ難い傾向があります。
Gibson , Guild等は、ある程度塗装は、修正する事も込みでリセットに掛かります。
ビスは後から留めるのですが、ブリッジに付いたまま接着されていたため、接着剤が付いて錆び付いています。(右)
左側のようにきれいにして、戻します。
車やバイクのパーツならどんどん交換していくのでしょうけど、ギターのパーツは交換せずに使います。
このタイプのブリッジのピックアップもある事は有りますが、この雰囲気ではなくなってしまうので、雰囲気優先。
このサドルは、指板にアールが付いているのにクラシックギターのように真っ平らでしたので、板を足して指板に合うアールをつけて調整。
アジャストロッドのトラブルは、調整し切ってそれ以上締められないにも関わらず更に締めてねじ切ってしまう場合や、ロッドエンドが緩んで締めても締めても全く効かない場合があります。
ナット側でねじ切らないように注意は出来ますが、エンド側は注意できませんので、当方のロッドエンドは溶接してもらい、更に仕込む際にはエポキシにて固定します。
出来上がっちゃっていますが、作業がいろいろ並行して進みましたので、詳しくしようとすると余計に分かり辛くなりそうなので、なるべく見易くなるように簡単に見て頂きます。
このジョイントは、クラッシックギターでよく見られる方法で、他にはTaylorがすぐに思いつきますが、スカーフジョイントの他にフィンガージョイントを採用したネックもあります。
色んなネックがありますがMartin のように贅沢なワンピースネックも有り、それが一番良いかと言えばそういう事でも有りません。
どのネックが良いのかは、それぞれの考え方によります。
どのメーカーもコンピューター制御で切り取られたパーツをセットしているのですが、それにしてもLowden はすばらしいです。何と言うか、心意気と言いましょうか。
また、折があれば触れてみたいと思います。
※角度が狂うのはジョイントの精度の問題だけではないので、悪しからず。