2019年03月

ボディ割れ修理 / Larrivee L-09


ボディの割れは、この段差が戻るか否かで、修理のし易さも出来映えもある程度決まります。


こっちの段差はなんとかなりそうです。


やはりこの大きな割れは、何をしても戻りません。

少々欠けても「パチンッ!」って戻ってくれれば、こっちのもんなんですけど・・・

 

バックを外して修理する事も考えたのですが、修理(私)の鉄則は面倒くさくしない。

面倒くさくしてしまうと費用も時間も余計に掛ってしまいますし、第一にバックなんぞ外したら面倒くさいです。

わざと面倒臭くしてやる人も多いですが、それはそれ。千差万別の流儀や美学があります。

 

幸い力木も定位置にありますし、出来るだけ元のまま修理します。

バックを外すのは、以前に紹介したSJ-200のような状態で、やむを得ない場合。

 

 


割れの段差が重なって戻らない部分は削り落として、少々隙間が出来きましたが、そこは後から考えればいいやと思い。


割れの段差を無くして平行にする事が第一の目的ですので、幸いローズウッドで茶色いボディは割れ等の跡が目立ち難いので助かります。


接着修理が完了しましたら、バックはリフィニッシュ。

あんまり目立たなくなりました。


メイプルのバインディングの割れも接着しましたが、色の明るい部分の割れ跡は目立ちます。


 


こちらのギターはネックのリセットもしていますので、次回に見て頂きます。

マーチンのネックジョイントでは、横着してセットしている物がありますが、ラリヴィーもやってるとは思いませんでしたよ。

 

 

 

 

 

 

 

トラスロッド交換 / Harmony H1260


前回のギターの続きです。

アジャストロッドを交換します。

画像の様に、ロッドを締めると締めた分、ロッドが出てきてしまいます。


ロッドを交換する為にまず指板を剥がします。

錆びた鉄芯が直に指板に触れています。

ロッドエンドにはエンドブロック等無いので、ロッドエンドを下に折り込んであるのでしょう。と思いきや、この錆びた鉄芯が埋木代わりでその下にロッドが埋まってました。

 


取り出した左側が埋め鉄(埋木代わり)で、右側が上下逆においてしまいましたが、ロッドエンドっぽいのがナット側、エンド側は何も付いてません。

どこも固定している部分がありませんが、ナット側にあったのだろうト想像する以外ありません。

しかも溝がたわんで無くほぼ真っ直ぐなので、反りは修正出来るわけ無いと思ったのですが、もしかすると、ネックが反った時にはロッドも一緒に反るから、そしたら締めてまた真っ直ぐにする、と言う考えかな。

そんな事、出来るのかな。

ゴムじゃないんだから、そんな引っ張れないし、ロッドエンドが留まって無いんだから・・・押すのか?いやいやいや押したら余計に反っちゃう。

・・・私の頭では分かりません。

 

 

 

溝を一旦埋めて、もっと深い位置に、たわんだ溝を作ります。

 

ギブソン式のロッドを作って仕込みます。

埋木はウォルナット。


見るからに安心感の出た、ロッドナット部分。

 


リフレットもして、とても良い状態。

ネック角が付いて、指板のハイポジション部が下がった分、厚みを付けてあります。


楽器は弾きやすくなると、音も良くなります。

演奏に余計な力が必要なくなり、楽器のパフォーマンスが引き出せます。

 

ネックリセット / Harmony H1260

これからは蒸気を使わず、”ヒートスティック”と言う半田ごてを使った熱し方でネックを外します。

 

そしてアジャストロッドを交換します。

こちらは次回、見て頂きます。

 

このヒートスティックを試した1番の理由は、蒸気で塗装を傷めない所です。

Martin 等もそうですが、このような細いヒールのギターでは蒸気を使っても塗装を傷めてしまうほど時間は掛らないので、以前の方法で全く問題無いのですが、幅広ヒールのGibson やGuild 等のネック外しの際に有効なのでは、と考えたわけです。

ですが、幅広ヒールの場合いずれにしろ時間は掛るわけで、ヒートスティックにしてもこれはこれで弊害があることが分かり、何らかのコツを掴まなくてはならないので、もう少し研究するか、元の方法に戻すか、悩みどころです。

改善できなければ、元の蒸気外しの方が安全。

 

(外す前の画像)

このHarmonyは以前にヒールに隙間が出来てしまったからか、ボルトで留めてあります。

しっかり留まっています。

しかしとてつもなく、ネックの角度が狂っていますので、外して角度を直さなくてはなりません。

 

 

 


指板に厚みを付けて、ハイポジションが下がらないようにします。

 


ヒートスティックの場合、蒸気の時より15フレット下に大きな穴を開けますが、目立たぬよう穴を塞ぎます。


ヒールの接地面はきれいに超したことはありませんが、大事なのはこの中のジョイント部。


ここを一所懸命接着してもジョイントの強度には関係ありません。

 

 


弦高を下げる為にブリッジョを削って、弦が留まらなくなってしまって大分独特な形に直してありますが、交換せず使うと言う事ですので、溝は直さなければなりません。


ガチャガチャ溝は埋めて、ピッチも計り直してきれいな溝を切り直します。


サドルは多少高めに見えますが、1弦側が低い事とブリッジが薄くトップと弦のクリアランスを考えればこのくらいが良いでしょう。


次回はロッド交換の紹介です。

このギターのアジャストロッドって、「?」です。

 

ネックリセット、リフレット、他 / Gibson J-45 70’s


ネックのリセットですが、こちらは色々やらなくてはなりません。


トップ(サウンドホール)が割れて、修理してありますが、段差のまま固まっちゃってます。


こちらはネック側、とりあえず接着してあります。

当然力木も剥がれています。

 

この時代のネックポケットのデザインはこんな感じ(↑画像)です。

どのメーカーも同じですが、強度を出そうと色々と考えてデザインされています。

基本的構造がアコースティックである以上、素材や理屈的に強度が上がっても管理上、弦は緩めなければ、不具合が出る確率は高くなります。

 

 


サドルはあまり出過ぎない方がカッコよいのですが、70年代ギブソンのブリッジは薄いので通常よりサドルが出るネック角度に調整して、トップと弦のクリアランスを設けます。


付いていた接着剤を取り除いて、改めて接着し直します。


真っ平らに戻る場合もありますし、そうならない場合もあります。

 

こちらのサドルの高さは狙い通りの高さ(弦高・1弦・・・1.7~1.8mm・ 6弦・・・2.4~2.5mm)に収まりました。

ネックリセット、リフレットする場合は、色々と予測を立てて考えなければなりません。

 

過去の修理で1弦側のサドルの高さは良かったのですが、6弦側が低く、6弦側をもっと出すと1弦側が出過ぎの感じになってしまいます。

ブリッジの1弦側と6弦側の厚みの差が大きい場合にこうなる事があります。

この時の修理は、全部調整し終わり、きれーに拭き上げて、新しい弦を張ってから、最後まで悩んで、泣く泣くネックを外してやり直しました。

この場合は、1弦側は多少出過ぎても仕方なし、と決められず、1弦側、6弦側両方とも、丁度良い案配にやろうと欲張って(出来ると過信して)計算できなかった頭の悪さが出た結果でした。

 

他にはネックのねじれやボディの歪みでネックがねじれの方向に傾いた状態になりバランスに大きい差が出来たり、左右のバランスが逆になる事もあります。

前に上手くいった事は、上手く行く確率は高いですが、果たしてそのまま当てはまるかどうか、良く考えないと失敗します。

ネックの角度狂いはほぼボディの歪みが原因で起きる不具合で、力木等のハガレは修正出来てもボディの歪みまでは戻りませんので、ギター毎にポイントが異なる事が前提になります。

 

 


リフレットしましたので、ナットも作り直します。

沢山あるフレットのうち1本でも打ち方が悪いと、0点になります。

ネックに角度が戻ると、ジョイント部の指板が下がりますので、板を足して厚みを付けて上げます。


よく書いていますが、ヒールの接地面の接着は重要ではありません。

ですが、きれいに超したことはありません。


詳しいことは過去の記事から読んで頂ければ幸いです。


ブリッジプレートもボールエンドが穴に潜ってしまわないようにきれいに修正しました。


この時代のGibson は正直あまり人気がありませんが、この時代にしか無いスタイルなので、貴重であることは事実です。

 

Gibsonの名誉の為に時折書きますが、今回も書いてみます。

この時代のGibsonは、鳴りが悪いとか、やれ何が悪いとかいろいろと酷い言われようですが、60年代までのギブソンと比較すると、確かにGibsonらしさはかなり薄まっていますが、オール単板で60年代後期と比べて鳴りも豊かですし、決して悪い音では無く、良い音と言えます。

60年代に至っては、スペックがごちゃごちゃなギターがあったりするので、テキトーに作っているイメージがあるのかもしれませんが、木工技術などはMartin等より優れていると思っています。

もしグレッチがレスポールのギターを「うちでつくるの?」「じゃ、がんばる!」なんて事になっていたら、”レスポール”と言うギターは絶対にグレッチの技術では出来上がっていなかったろうと思います。

色んな紙媒体から個人のサイトまで、見てきたように書いてありますが、鵜呑みにせず「ふ~ん。」と一旦横に置いて見る事が大事です。

フレット部分交換 / 古い国産ギター


7フレットまで部分交換しました。


8フレット以降は古いまま。

高低差。


反対側から見た状態。

見るからに違和感。


上からの見た目の違和感は、あまり無し。

 

 

リフレットは、基本的には全交換ですが、リクエストにより部分交換もいたします。

こちらのオーナーの場合、ハイポジションでの演奏はあまりしないとの事、でありましたが、7フレット、8フレットををまたいで弾く時は、さすがに違和感はある様でした。

部分交換では、全交換より安くは上がりますが、指板調整が無くフレットも5~7本程度の交換ですので、感覚的に割高になります。

演奏上、違和感は出来るだけ感じないよう古いフレットに雰囲気を合わせますが、新しいフレットをこれだけ低い古いフレットに合わせて削ってしまう訳にはいきません。

ナットは新しい第1フレットに合わせて作り直しますので、ハイポジションでの弦高はローポジションでのバランスより高く感じます。

このような理由から、リフレット(指板調整、フレット交換、ナット交換、他調整)は、基本的に全交換になります。

 

勿論、やってみてあまり違和感を感じなく出来る事もあります。

元のフレットが高い低い、太い細い、ありますが、低いフレットの場合の部分交換は、こちらの感じになりやすいです。

 

 


第1フレットから最終フレットまで見たところ。

高さの違いがはっきり分かります。


ナットは第1フレットに合わせて作ります。


結果それでも良し。と言う事でした。

 

 

リフレットの際の基本作業以外のリクエストで他には、「指板面を現状維持でフレット交換したい。」「ナットを交換しないで元の物を使いたい。」等、出来る場合、出来ない場合ありますが、ご要望の場合は一度ご相談下さい。

 

ネック折れ修理(塗装修正なし) / Gibson Hummingbird


当方のネック折れ修理は、タイトボンドは使用しません。

何故なら補強しなくては、ならないからです。


補強すれば、塗装も含め手間が多く掛り、修理代も高く掛ってしまいます。

折れている所同士が一番密着度が高く、そこを強く接着出来れば、それが一番理にかなっています。


倒しても折れない事を目指せば、接着した部分を削り取って、別の材料を足す事も考えられなくも無いですが、アクシデントは付きものですし、そうなれば離れた別の所が折れます。

何かあって折れるとすれば、この付近が折れてくれるのが修理には都合が良いのです。

 

 

どのネック折れの修理方法でも大きく音が変わる事はありませんが、当方では補強をしませんので元のネックと質量はほとんど変わらず修理出来る為、音の変化はほぼ無いと言って過言では無いでしょう。

 


接着後は割れた部分に段差が出ますのでそこは、はみ出して残った接着剤と共に削り落とし、磨きます。


ギブソンのように塗膜がある程度厚ければ、接着後の整形で塗装が大きく剥げずに仕上がる場合も多くあります。


塗装修正をする仕上げの場合も、塗装修正が無い仕上げの場合で塗装が大きく剥がれてしまう場合も、何れも強度は変わりません。

 

 


 

補強無し修理をご希望の方は、

「使っているうちに、また同じ所にヒビが入って来た。」と言うようなクレームは何十年来ありませんので、お問い合わせ頂ければ、幸いです。

 

補強あり、無し、どちらが正しいと言う事はありませんので、悪しからず。

修理するギターのオーナーが良しとする修理屋へ依頼することが正解と言う事でございます。

 

思い出した事が一つあります。今から25年位前、私が強力な接着剤でネック折れを修理したその後、何かのギター雑誌だったと思いますが、どこかの職人さんが「木は生きている、呼吸しているのだから、そんな接着剤で付けてしまっては、ギターがかわいそうだ。」と言うのを読みまして、

「俺のこと?」と見てたんじゃないか、と言うタイミングで読んだのですが、今思えば、あのおじさんは直しても直しても、折れているんだろうな。と時折思います。

 

リフレット(フレット交換)→ 指板調整、フレット交換、ナット交換、他調整

指板修正をして、フレットとインレイも交換します。

最近のもそうなのかは分かりませんが、古いグレコのギターはフレットバインディングにして細かい所もギブソンぽさを醸し出しています。

フレット交換の際には、オーバーバインディングで交換になります。

指板修正の際に気を付けなくてはならないのは、指板やバインディング、全てを真っ直ぐに修正して削り過ぎてしまわない事。

 

 

フレットが乗る部分が点と点で繋がったときに、真っ直ぐになれば良いので、指板面全体やバインディングをラインで見てしまうと削り過ぎになります。

重要なのは、指板全体の面やバインディングの直線では無く、点と点。

但し、各々のギターの指板面(フレット)のアール、クラシックギターであれば(フレットが)フラットになるよう、指板面にも気を配る必要はあります。

点と点が一直線に繋がった時に、バインディングのラインが順ぞりに見えても、指板が掘れている状態でもそれは問題ありませんし、それ以上削ってはいけません。

指板を削る際に気を付けなくてはならないポイントはまだあります。アジャストロッドの状態によってもその都度削るポイントを考えなくてはなりません。

ひと言に指板を調整すると言うだけでも、通り一辺倒にきれいに調整すれば良いと言うわけでは無いので、とても難しい作業です。

 

 


フレットの点と点に凹凸があったり、フレット自体が1本、1本ちゃんと打ち込まれていなければ、すり合わせの際に余計に削らなくてならなくなります。

 


すり合わせが上手く出来ても、フレットのエッヂが丁寧に処理出来ていなければ、触れた際にチクチクして気持ちよく演奏出来ません。


指板修正、フレット交換が上手く出来て、弦高だけいい案配に調整しても、新しいフレット(第一フレット)に対してナットが正しく調整され(作られ)ていなければ演奏性や開放弦の振動の不具合の原因になります。


一言で、リフレットと言っても大変なのであります。

 

 

フレット交換(リフレット) / Gibson Hummingbird

Gibson のリフレット(指板修正、フレット交換、ナット交換)です。

見た目にも激しくフレットが減っています。

ギブソンのネックバインディングは、フレットバインディング(

呼び方は色々)フレットの延長のようにバインディングが出っ張っています。

指板修正の際にそこは一緒に削って修正してしまいます。

 

 

フレットバインディングの見た目は、カッコよいですが、演奏上良い事はほとんどありません。

セルバインディングは時間が経過すると痩せてしまうので、フレットとの間にギャップが出来てしまい、弦が当たってパチパチ音が出たり、引っかかてしまって演奏不可能な状況にもなります。

フレットバインディングの指板の修正途中のもう少し分かり易い画像を撮ってありますので、その時にまた紹介いたします。

 

 


オーバーバインディングのフレットエッヂを一本ずつ丁寧に丸めて行くこともかなり手間ですが、それでもフレットバインディングよりまだ手間が掛らず、機能面でもこちらが理にかなっている。


何でもシンプルである方が物事優れている事の、これも一つの例だと思います。

 

ただ、優れていれば良いかと言えば、そうでない場合もあり、人の欲求は一定方向ではないものです。

 

私の想像ですが、バインディングを付ける予定の指板にその指板サイド丁度にフレットを合わせて調整しちゃってから、バインディングを貼り付けたもんだから、「フレット短いね~。」なんつって「じゃぁ、バインディングで。」なんて言って、「ほら!見てごらんよ、これオシャレじゃないかぁ~。」「これ他でやってないし、どうだい?」「採用~!」

なんて言いながら、フレットバインディングをやり出したんじゃないかと想像しています。

 

 

何故か、重ねて張ってあります。

剥がしたいですねー。

柄が消えちゃうピックガードの時代のHummingbirdです。

 

 

良くすると言う事は、その力を引出す事。


 

先日の取材で後から、伝えたい事が他にあったな、と思いましてそれが放送されて、どんな内容か分かりませんが、放送されないかもしれませんが、今回のブログはいつもと違い、興味を持って頂いて、初めてこのブログに来て頂いた方に読んで頂ければ幸いです。

その取材での質問を聞いていて、あとから思い出して感じたのは、「修理=音を良くする為」のものと捉えられていたのかと感じまして、そうなんですが、そこには最初から重点は置いておらず、結果、成果、なのです。

勿論間違いではありません、ある程度調整され、バランスも悪くないギターの音を良くする為のポイントはいくつかあります。

 

修理屋でも得意不得意、特色が違うと思いますが、当方では物理的に壊れてしまったり、剥がれたり、弾きにくい状態になってしまった物の修理が主です。

 


 

最初にびっくりすることを書いてみますが、修理をして音が悪くなる場合があります。(音の良し悪しは、あくまで主観)

こうなりがちなのは、ボディにおいて壊れたり、剥がれたりの修理後そう感じる事があります。

但し音が悪くなるのは一旦で、しっかり修理調整されたギター(楽器)はまた弾き込んで行くことで振動が元の状態に整って行き、修理前より振動効率が良くなり、音も良くなります。(弾き込んで良くなる時間は、個体差)

但し全てやり尽くした後は、ギターの個体差が出ます。

それぞれの個性や力の差で、思った以上に良くならない場合もあり、それ以上出来る事はありませんので、後は信じて弾き込むしかありません。

 

音の良し悪しは主観と書きましたが例えば、力木ハガレの修理をした場合、修理前は力木が剥がれてボディが自由に振動している為、弾き手にはとても豊かな響きに感じ、修理後ボディが締まり、鳴りが悪く感じる場合(人)があります。

それとは逆にボディが締まった事により、効率よくトップ(表板、サウンドボード)が鳴り、前へ音が出ている事を感じられ、響きが良くなったと感じる場合(人)もあります。

(基本的な良いボディの条件は、良いスピーカーと同じで、側は鳴らずに、前へ音が出ること、サイド、バックは音の特性を決めます。)

 

 


 

ネックの(演奏性に関わる)修理をした場合は、ほとんどの方が音が良くなったと感じているようです。

理由は、演奏性が向上することで余計な力が必要なくなり、ギターのパフォーマンスを引き出しやすくなる為だと推測しています。

但し、弾き易さや鳴らし易さのポイントが標準と差がある場合もありますので、タッチや好みは自身で把握出来ていれば尚良く、それに合わせた調整が出来ればベストです。


 

何年かに一度位「今以上に音を良くしたいので、力木をスキャロップしたいのですが。」や「トップを薄くしたい。」等、びっくりする問い合わせがあります。

実際にはやったことありませんので分かりませんが、多少音が良くなった(その方にとって)としても、それ以上に弊害があるのではないかと思います。

改造はエレキであればある程度楽しめると思いますが、アコースティックの場合は、本来の姿を変えず、整える事が大事なのではないかと考えます。

 


 

音の良し悪しは主観ですし、良いギターのポイントも人それぞれ 1デザイン 2値段 3音の順番の人もあるように、修理も修理屋によって技術力や流儀も違いますので、うちが正解というわけではありません。

その辺りが、なんとなくご理解頂ければ、幸いでございます。

 

日頃更新しているブログでは、主に修理例を見て頂いていますが、それに加えて今回書いたような事や、感じたこと等も時折書き加えながら更新しています。

よろしければ、また見て下さい。