ネック折れ修理は、修理屋によってやり方は区々です。
当方では補強はせず、タイトボンドは使わず、しかるべき接着剤でしっかり接着するのみ。
通常通り使えればそれ以上の強度はいらないからです。
違和感無く演奏出来て、いつも通りに取り回し出来て、ネックハンガーにかけたり、修理前と同じ様に使えればそれ以上はいらないのです。
ネック折れ修理は、修理屋によってやり方は区々です。
当方では補強はせず、タイトボンドは使わず、しかるべき接着剤でしっかり接着するのみ。
通常通り使えればそれ以上の強度はいらないからです。
違和感無く演奏出来て、いつも通りに取り回し出来て、ネックハンガーにかけたり、修理前と同じ様に使えればそれ以上はいらないのです。
過去にもネックリセットの形跡があるマーチンですが、ネックリセットしたからと言って頑丈になったわけではありません。
ギターに関わる人達は色々と意見が違います。
「緩めなくても大丈夫」「毎日弾くのなら緩めなくて大丈夫」「1音下げる」「1回転緩める」等々、色々言われます。
当方の場合、「その日の使用が終わったら弦は、しっかり緩めましょう。」「緩くする分にはいくら緩くても大丈夫です。」
メーカーや製作家の方にも「僕のギターは弦を緩めちゃダメ。」と、何らかの計算か理屈か理由があるのだろうと思いますが、ボディが空洞の箱である限り、弦を緩めない場合の方がネック角度が狂ってしまう確率は高くなります。
ネック角度に不具合が出ない場合も、何かしらの不具合が出る確率が高くなります。
ネックの角度が狂わなかったとしてもフォークギターのレギュラーチューニングでは、約70Kgの張力が掛かりますので、ひどく反ってしまったり、ブリッジが剥がれたり、ブリッジが剥がれなければトップが歪んだり、何かしら不具合が出やすくなります。
チューニングを毎回緩めることによって1弦、3弦が切れやすくなる場合はチューニングしたまま緩めず、他の弦を緩くしましょう。
1、3弦であれば、他の弦がちゃんと緩んでいれば大丈夫です。
ネックを取っちゃうとか、フレットが新しくなってピカピカになるとか、ヘッドが取れちゃってるとか、そういう画像の見栄えが良い物ばかりに偏って、力木が剥がれれいるとか、クラックの修理とか、画像が地味な物は、ついつい写真も撮らなくなります。
「ピックアップ取り付け」も気が付いてみれば随分と撮っていませんでした。
ビフォーアフターに差が無いものは、分かり辛いので、途中途中で撮って行かないと「ふ~ん。」ともならなくなります。
ただピックアップが付いている画像になってしまいます。
ならば映像を取って置けばよいではないか、と申される方もいらっしゃるかと思いますが、そんな鬱陶しい事は、この程度のブログで一杯いっぱいな人間には神業の領域なのでございます。
週一でも私には大変なので、ビフォーアフターを見て分かるような、なるべく簡単な書き方にしたいというのが本音でございますが、なるべく記事の割合を満遍なく、バランスが悪く無い様しなければいけないと分かっていつつの、色々矛盾や葛藤のある当ブログでございます。
上の画像はブリッジを貼り直す為に剥がしたところです。
まず、はがす為にブリッジを温めました。
そしてオクターブのピッチを直す為にサドルの溝の位置を直した跡が浮き上がりました。
さらに新しいサドルの位置とピンの位置が近すぎてしまう元の穴の跡も浮き上がりました。
ブリッジがしっかり温まったら隙間からへらを差し込んではがします。
…何故か剥がれません、何か引っ掛かります。
あーもしや!やはり穴の位置をずらす為に埋めた丸棒がブリッジプレートまで貫いて埋めてあります。
6ヶ所柱が立っていたら外れる訳ないのです。
どうやって外すか、トップ側にキズは付けたくないのでブリッジは壊して新しく作り直すか、そうすると料金が大分上がってしまうし…。
どうにか薄いノコで切り取れないかと、0.1mmのノコギリをネットで見つけて、そのノコギリの柄を外して切り取った所です。
ここまで来るのに、0.1mmは見つけたけど、トップに傷つけずにとれるのか、やはりブリッジは壊した方が良いか…考えが行ったり来たりして、ここまでたどり着いた所が上の画像。
ブリッジを貼り直したら、ネックリセットをします。
ネックリセットの方が仕事としては大仕事なのですが、ブリッジ仕事が今回は珍しかったので、修理実績のカテゴリーはブリッジ仕事に入れました。
どのブランドもダブテールジョイントと言うわけではありませんので、ネックを外す際には分からないブランド等ではネックジョイントがどのようなジョイント方法なのか知る必要があります。
そしてダブテールジョイントだからと言っていつものように外れるのかと言う不安もあります。
このブリッジの様に将来の事を考えずに、エポキシでジョイントをみっちり充填してあったら…。
以前には、ダブテールと溝の底の隙間にタイトボンドがたっぷりと入っていたことがあります、そこはそのまま隙間で良い部分なのですが、タイトボンドは硬化して体積が縮みますので、そのジョイントの底面部は接着されずに済んでました。
これがエポキシだとしたら、大変なのです。
本当に大変で、昔、Guildのギターで当たっちゃった事があります。
新しいものは分かりませんが、昔のOvation のカマンバーが入っていないネックのジョイントがそうです。
ジョイントが緩いので、エポキシ系の接着剤でガッチガチに固めてあります。
個人的好みなのだと思いますが、サドルがすごく出ているのは、カッコ悪くて嫌なのです。
サドルを高くしておかないと、将来弦高が上がった時に下げられなくなってしまう、と心配する方もいますがこれ位あれば十分ですし、ちゃんと弦を緩めておけばまたネックの角度が狂ってしまう事はありません。
新品ギターのサドルがやたら高くなるようなネック角度は、弦を緩める習慣の無い人の場合、ネック角度が狂っていくごとに弦高を下げられるよう見越してのセッティングなのでは、と思っています。