2022年01月

トップ割れ修理、リフレット / Ovation 1117-4

直線で割れる場合は大概乾燥が原因なのですが、ぶつけた跡もあります。

両方が原因でしょうか。

こちらは乾燥で割れたのだと思います。

 

 


 

割れは大概、外側(上側)に盛り上がっているのですが、Ovation の場合はそれが固くて平らな感じには戻りません。

塗装膜がポリウレタンで分厚い為か、なぜかは分からないのですが平らな感じにはなりません。

力木もファンブレイシングで、C型のクランプでは挟むところが限定されることが多く、このように上から押しつぶして接着します。

Ovationの場合、ボディが木ではない為に歪みがトップに出やすいと聞いたことがあります。

詳しく考えたことが無いので、鵜呑みにしています。

多分そうなんだと思います。

多湿度の季節と乾燥の季節があり、膨張と収縮を繰り返し、木は居心地の良い方へ動いてしまいます。

全体が木であれば、トップやサイドバックがお互いの変化にある程度合わせられるが、Ovationではそうはいかない…

 

 

画像では分かり辛いですが, 盛り上がっています。

平にはなり難いです。

塗装が分厚いので、ある程度研げる為、助かります。

 

そしてこのギターは、リフレットも行いました。


 


 

 

ネック折れ修理(塗装修正無し) / Gibson J-45


 


 


 

 


 


 


 

 

 


 

当方のネック折れ修理は、塗装修正をしないで仕上げるプランと、出来るだけきれいに仕上げるよう塗装修正をして仕上げるプラン、2通りです。

沢山見て頂くために、特に塗装修正無しプランは仕上がり具合の違いがいろいろありますので、ネック折れ修理例をペースアップして更新しています。

ネック折れ修理ブログでは現状、ビフォーアフターの簡素なものがほとんどですが、R3年7月以前のネック折れ修理ブログでは考え方や説明等、何か書いていると思います。

古い方が一所懸命書いていると思いますので、そちらもご覧いただければ幸いです。

 

 

Martin D-28 ブリッジ交換&ネックリセット


こんにちは。スタッフの山口です。

今回はMartin D-28のブリッジ交換とネックリセットです。写真のように弦高を下げきれなくなりブリッジを削ってありますね


ハロゲンライトでブリッジをゆっくりと温めて接着剤を軟化させます。


ブリッジ周りを傷つけずに剥がさなくてはいけませんのでマスキングテープを使用したりヘラの角度などに気をつけます。


エボニー材はまだ辛うじて輸入OKの木材です。ただ写真のような真っ黒なエボニーも中々貴重になってきています。


擦ったり削ったりで成型して行きます。個人的にはローズウッドよりエボニーの材質の方が作り易いです。


マーチンのブリッジ交換はショップから依頼される頻度が高いです。Gibsonのオールドはアジャスタブルサドルの個体がたくさんありますので、今回のギターのようにブリッジを削って弦高を下げている個体が少ない印象です。


元々がオーバーサイズですので今回もそのサイズで。

ブリッジを作り替える時にちゃんと元のサイズで作る職人さんと、少し大きめで作っちゃう職人さんがいます。


接着面を整えたら接着です。ボンドは綺麗に拭き取ります。


いつの間にかピックガードが無くなっていますね。今回はそれも依頼されていましたので剥がしたのです。


弦長を測ってマーキング。ルーターで溝を掘ります。


元のブリッジと並べた一枚。溝も綺麗に掘れました。


ブリッジの高さもついたのでネックリセットに移ります。サドルをもっと出してあげないといけません。


15フレットを抜いて、、


指板をトップから剥がして、、


専用の道具でダブテイルジョイントを温めていきます。


MartinはGibsonよりも素直に抜けてくれます。ネックリセット料金はメーカーによって変わるのはその為です。

ちなみに国産メーカーなどはダブテイルジョイントではないものもザラに有りますので、その際はすごく手間がかかり費用がかさんでしまう場合も有ると思います。


恒例となった記念撮影。

綺麗に分離しました♪接着剤が軟化しているうちに綺麗にしてあげます。


仕込み角度を調整する工程は必死にやっているため写真を撮り忘れることが多いです

(*´ω`*)


ヒールを削った分、指板にも厚みをつけてあげます。エボニーも枯渇してきているので縞のある黒檀も増えています。


後半は早足でしたがネックリセットも完了。

ブログでは1日で終わった修理のように見えるかもしれませんが、接着の工程を何度も挟んだりするので実際は数日〜数週間、内容によっては1年単位でお預かりする場合もあります。納期に追われて急いで修理してもろくなことがありませんので、お預かりする期間が長くなってしまってもご理解いただけるとありがたいです。

自分はせっかちな性格なので、セカセカと熱くなって作業していると「急いでやっても失敗するよ、急がず慎重に。」と師匠皆川氏の一言。ふと我に返りクールダウンします。

 

 

ネック折れ修理(塗装修正無し)/ K.Yairi YD-88


 


 


 


 


 


 


 

「ネック折れ修理 ビフォーアフター修理例 増やし期間」が続いています。

メーカーやモデルの塗装の違い、修理歴の有無、シースルー、濃い色、塗りつぶし、等々

仕上がり具合がそれぞれ色々あります。

沢山比較して頂ければ幸いです。

 

 

フレット交換 / Martin D-35

Martinのリフレット(指板調整、フレット交換、ナット交換)でございます。

浮いている部分も沢山あります。

 


指板の調整(修正)には色々コツがあります。

ビシっと精度よく仕上げるのは良い事ですが。


決して削り過ぎず、指板の厚みやネックの角度等、鑑みて「もちょっと削った方が良いんでは?」という所でやめたりもします。


指板の面もきれいになれば良いってことでも無く、適当に曇っているような雰囲気が好い。私は。


ナットは出来るだけそのメーカーの形の雰囲気で。

 

 


 

 

 

当方のお客様や、いろんな方のブログ等を見ておりますと、すごく早い人で1~2年位でリフレットの時期が来てしまうようですが、例え減ってしまっても演奏上、不具合、違和感が無ければ大丈夫!

弾いて!弾いて!弾きまくってください!

 

ネック折れ修理(塗装修正無し)リフレット / Gretsch Tennessee Rose


 


 

修理前後の見た目が変わったように見えませんが、修理前と後です。

塗装が欠けてしまっている部分は、クリアで盛り上げてツルっと仕上げてますので、手触りに違和感はありません。

 

ネック折れ修理の仕上がりの雰囲気はいろいろあります。

過去の修理例も沢山見て頂ければ幸いです。

 


 


 

 

0フレットのギターのナットは単なる弦のガイドなので、難しい調整はいらない代わりに、0フレットを1フレットより気持ち高いフレットを打ちます。

ですが、1~6弦まで丁度良い高さのフレット等はありませんから、ナットを作るより面倒な調整になる事もあります。

 


1:指板修正をして


2:フレット交換をして


3:ナット(0フレット)交換をして


4:弦高他調整をして出来上がり。

 

リフレット(フレット交換)はセットです。

※オールドギター等、指板調整はしない場合もあります。

ピックアップ取り付け / LR Baggs Anthem


 

ピックアップを取り付けます。

アジャスタブルブリッジにはインブリッジタイプのP.Uは付けられません。

下の画像の様にピックアップに合った形に溝を直します。

元の溝に埋木を接着して完全に固定しているものも時折見ますが、元のアジャスタブルブルブリッジに戻せるよう接着はせずに、アンカーも残したままの方が後々ピックアップが要らなくなった時には楽に戻せますのでその方が良いかと思います。

溝はしっかり接着した方がしないより音が良いと考えたのかと想像します。

理屈では間違いないと思いますが、聞いて差が分かるかと言えば、そこまで(どこまで?)差は無いと思います。

ほとんどの事が主観で判断されますので、断定できる事はあまりありませんが、その人が「そうなんです。」と言うならば、そうなのです。

 

 


 


 


 


 

エンドピンジャック・キャップはジャックと面位置(https://www.m-guitars.com/blog/3525/)か少し出ている位が良いのですが、エンドブロックの厚さによってはそこまでジャックを出してしまうとしっかりロック出来ずに後々緩む事がある為、無理に面位置まで出さずにしっかりロックする事が重要です。