2023年06月
ブリッジ剥がれ修理 / Martin OOO-28
ブリッジの接着面に隙間ができてしまったら貼り直さなくてはなりません。
隙間がわずかでしたら、部分的にそこへ接着剤を差し込んでやるくらいで良いと思います。
判断は感覚的な所ではありますが、隙間がある程度あるなら剥がして貼り直します。
温めて、隙間からヘラを差し込んでいきますが、周りにこすり跡が付かない様に適当にマスキングします。
過去の画像ではマスキングをしてないものがあると思うのですが、それは撮影の前にマスキングテープは剥がしている為です。悪しからず。
ブリッジは、ただ貼り直せばよい訳では無く、当然ですが調整し直してから貼り直します。
先ずは古い接着剤を取り除きます。
剥がれていているブリッジは、反り上がって隙間が出来ているので、剥がさず部分的に接着する場合はいくら押さえつけても(圧着)しても貼り付くわけが無いのです。
その場合は圧着せず、接着剤は充填して接着します。
底は平らに調整しますが、ものによってはフラットトップのギターでもトップの反りに合わせなければきれいな接着が出来ない場合もあります。
そこはケースバイケースでございます。
いつも最後に全体を撮って終わるのですが、今回はボディの杢目も美しいので、バック側も。
最後はいつも同じ画角で全体を撮影して終わりにする理由がありまして、画像データが順番関係なく撮り重ねていきますので、全体を撮って終わりのしるしをつけないと、この修理はどこまで画像があるか分から無くなってしまう為、最後は同じ画角で「このギターはここまで。」と印を付ける為です。
そして各画像も比較が出来るように、どの修理の撮り方も同じ画角なので余計に分かんなくなってしまいます。
メモリカードをいくつか使い分けるとか、カメラを2台使い分けたりと、やってみたことがありますがいずれにしても面倒なのはあまり変わりなく、私のようなIT機器音痴には苦行でございます。
ブックマッチ離れ&力木剥がれ / YAMAKI
バインディング剥がれ / Martin OOO-28K
トップ側のバインディングの端は指板の下にある為、ネックが付いたままだと剥がして詰めて貼り直せないので、今回はとても都合が良いです。
(Martinのトップ側でもボトムで継いであるものもある。)
ネックが付いたままの場合は、剥がさずそのまま頑張ってくっ付けるか、くっ付かない場合はボディ下まで剥がして切り離してから詰めて貼り直します。
バインディングとトリムがくっついたままならバインディングとトリムは付けたままにしますが、バインディングとトリムが少しでも剥がれていればそれぞれ離します。
こちらのケースはバラシて直します。
縮んでいる長さが違うのでばらさなければなりません。
ネックリセット後のサドルの高さは、理想から言えば画像より低いと良かった(カッコよかった)のですが、リフレットする際に「指板の12フレット付近はこの程度削るはず、1フレット辺りはこの位削れるはずだからネック角度はこれ位必要になる」と、予想を立て決めます。
定規やジグで測れないので、経験値で行かなくてななりません。
サドルをもっと低く仕上げたいのですが低すぎちゃった場合は、もう一回ネックを抜いてリセットし直さなければならなくなります。
過去にも何度かやり直したこともありますので、「そうならない様にあの時よりももうちょっと角度を付けて。」とやりますと、そすると思ったよりサドルが高目になる事があります。
少し高目なら、将来的に沢山削れると思えば悪い事は無いのですが現行品で時々見る、あの感じのサドルになっては、ちょーカッチョ悪いのでそれはそれでやり直さなければならないでしょう。
日頃、弦をしっかり緩めて管理出来ていれば、弦高が上がってサドルを削る事は、ほぼ、ほとんど、滅多に無いのです。