Ovationの塗装膜は分厚いので、研く作業は剥げてしまう心配が少なくてとても良いのですが、非常に硬ーい塗装の為、仕上げ磨きがとても大変です。
なかなか、細かいペーパー傷が消えなくて大昔には失敗もしました。
Ovationのカラーバリエーションはとても多くて、中には密着していない(剝がれやすい)色があります。
そしてウレタン塗装はラッカーと違い、層になって乗っかっているイメージです。
その細かいペーパー傷をバフで磨き込んで行くのですが、早く終わらせないとドンドン熱を持ってきて、塗装に何らかの事象が生じます。
一定の時間で消えないキズは、諦めて再度水研ぎし直さなければならないのですが、水研ぎしますとそれまで磨いてきて、ある程度きれいになったのに、またやり直しになります。
ですが当時の私は、「あと少し!」とむきなってバフ掛けしてしまいました。
そしてトップコートが剥がれてしまいました。
文字で見ればそれ位、何も問題無さそうに感じますが、カラーによってはごまかしが効きません。
その頃のOvation の修理は代理店から請け負っておりましたので、営業の方のお力で何とか納めて頂いたと思います。
今思えば、いろんな人たちに助けられて来たなと、その時々助けて頂いた方々には全く恩返しもしておりませんが、こうやって続いている事がせめてもの恩返しでございます。
皆様のおかげで今も修理屋を続けていることが出来ております。
最近まで人生を振り返るとか、語るとか、未だ出来ないと思ってきましたが、もうそろ還暦の支度が始まろうかと言う齢ですので、そういう事も必要かと思う今日この頃でございます。