2024年10月

ロッド交換 / Loar guitar


 

アジャストロッドナットが無いです。

締め込み過ぎて、奥で折れてしまったようです。

私が非力なせいなのか分かりませんが、ロッドは折った事がありません。

ロッドを折ってしまうのは慣れない人だけではなく、プロの方でもたまに折る人がいます。

回っていたものがきつくなって回らなくなったら、それ以上締めるのはやめましょう!

 

またいつものように途中の画像があまりありませんので雰囲気は、過去のブログを参考にして頂ければ幸いです。

https://www.m-guitars.com/blog/2833/

https://www.m-guitars.com/blog/4800/

他の記事もよろしければ覗いてみてください。


 


 

 

今回は、両利きの(順ぞり逆ぞり両方に対応できる)アジャストロッドを使います。

2Way、ダブルアクション、デュアルアクションいろんな言い方しますが、私は両利きと言ってしまいます。

 


 


 


 

指板は貼り直しましたら、指板上を整えて、リフレット、ナット交換。

指板を剥がすと大概左右に沿ってしまいます。

その為、指板とネックどちらかが出たり凹んだりズレが出ますので、削って整えます。


 


 


 

 


 


 


 

今回は、Loar と言うブランドのギター。

大昔にあったギターメーカーのようですね。

生産拠点等は当時とは全く別ですが復活するブランドがあります、そういったブランドの一つでしょうか。

安い価格帯でよいギターが結構ありますが、これも作り手(メーカー)の頑張りが分かります。

 

ネックリセット&ナット交換 YAMAHA 12弦ギター


スタッフの山口です。

来ました、12弦ギター!しかもスロテッドヘッド、、。手間がかかるリペアマン泣かせのヤツです。

今回はネックリセットとナット交換のご用命です。


ヒール部分に圧力がかかっていたのかボディとネックの境目の塗装がボロボロですね。せっかくネックを外しますのでここも修正できたらと思います。


このアングルは伝わりにくいんですが、ネック順反りと元起きが平行して発生中です。


ネックの順反りだけでは中々この弦高にはならないですね。6弦側は6mm超えてる、、


1弦側も5mm。こりゃあ弾けたもんじゃないです。


ここまでの症状は中々ないので色々なパターンで状態を観察。1フレットにスケールを当てます。


もう片方を最終フレット置くと12フレットはこんなに隙間が空きます。

なんとかしてあげましょう!

 


基本的にはMartinに近いダブテイルジョイントですのでいつものように進めていきます。


YAMAHAは継いでヒールを作っていることが多いのでネックリセットの際はダブテイルの熱でその接合部の接着剤が一緒に軟化し、そこが開いたり折れたりすることもしばしば。それを想定しながら進めていくしかありません。


なんとか無事に外れてくれました♪


角度を正常にするためにヒールを少しずつ削っていきます。ガザガザだった塗装面の半分以上は削り落とされましたが、まだ少しガザガザが残っているのでそこは修正します。


もちろんこちらのガザガザも修正しましょう。

 


なんとなく綺麗になっているのがわかると思います。


センターはズレは、、、


ないですね!


いざ組み込みです。


こちらはYAMAHAの高級機ということもあり文句なしの真っ黒エボニー、穴も綺麗に埋まります。


実はここからが今回の本番です。

12弦ギターと6弦ギターのリペアで一番大きく手間がかかるのがコレ、ナット交換なのです。料金が少し高くなるのはご理解ください。


通常はフレット交換に伴ってナットを新調しますが、今回はナット溝をオーナーの好みにしたいとのこと。


主弦と副弦の感覚を近づけてほしいとのこと。写真を見て何となく分かりますか?右が作成中のナットで左が元のナットです。


こんな感じになりました。


ナット、サドル、フレット。アコギは消耗品であるこれらのパーツが新しいと見栄えがいいと個人的には思います。


ネックリセットしたのでもちろんサドルも新調します。


 この出しろで6弦側2.0mm、1弦側は1.4mm程。まだ若干順反りしてるのでこのくらいが弾きやすいかと思います。


ヒールはいい感じに綺麗になりましたね!


何となく最初より凛々しく見えます。

 


ジャパンヴィンテージ最高峰の貫禄がありますね!


当時いくらで今はどのくらいするのでしょうか。


ハカランダに挟まれた高級グレードのフレイムメープルがお洒落ですね!


ファンには堪らないであろうサインもしっかりと残っています。


 

このYAMAHAのヒールキャップは構造的にバインディングの領域まで達しているのでとても手間がかかりました。Martinなどはヒールと一緒にキャップも削れてくれるので自然といい感じになりますが、このデザインだとヒールキャップを一度取り外して、ネック角度を修正後、それに合わせてキャップもリサイズ加工して綺麗に元に戻さなくてはなりません。

きっとバックのセンターとヒールキャップが同じフレームメープルで繋がっている方がデザイン的にカッコいいということなんだと思いますが、であればバックセンターのメープルをバインディング領域まで伸ばせばよかったのに、、。

後世に残すべき楽器だからこそ、何十年後かに必ず訪れる修理やメンテナンスのことをしっかりと考えて欲しい!という想いが何となく愚痴っぽくなってしまいました。もちろん言わずもがな、サウンドもナイスギターでした♪

今回も最後までありがとうございました。