スタッフの山口です。今回はギブソンL-0の修理を見ていただきたいと思います。まずはフレット交換の前に剥がれかけていたブリッジを貼り直します。写真はハロゲンライトでブリッジを温めているところです。
この形のブリッジだと接地面積が小さく剥がれやすいためにその後ベリーブリッジなどに変わっていったのだと思います。きっとこのギターも80余年の間に何度となく剥がれてきたはず。
どちらも接地面を綺麗にして平らにしてから接着します。しっかりと接着し、弦を張りっぱなしにしなければまた早々に剥がれることはありません。
溢れてくる程度に両面に接着剤を塗りバランス良くクランプ。溢れた接着剤を拭き取り一日以上待ちます。
ブリッジ貼り直しが完了したらフレット交換。今回はアイロンでネック矯正してから行います。うまく矯正できれば指板の修正を最小限に抑えられます。
ネックアイロンもいい感じに効きました♪
フレットを抜く前にネックジグで調弦時の状態を記憶させます。
調弦時の状態を再現したままフレットを抜き指板修正。アールを小まめに確認しながらビシっと決めます。削り幅はなるべく最小限にできれば理想的です。
今回はネックバインディングがあるモデルなのでこの工程があります。専用工具でフレットの足の端を切るのですが、どうしても少しだけ残るためヤスリで一つ一つ綺麗にします。
フレットをコンコン打っています。
サイドを均し、すり合わせ、エッジを丸め、そして磨きます。
1フレットに合わせてナットも新しく。
サドルも新しく作り直し一通り調整を終えたら完成です。
Gibsonの初代フラットトップ、激渋です。
ロゴもカッコイイですね。Gibsonは現行のロゴも筆記体ロゴもバランスが絶妙で素晴らしいですよね。
輪ゴムが付いてるのは弦を巻いていないとブッシュが外れていつの間にかなくなってしまうから。これをしないと後で床を這いずり回ることになってしまいます。
今回も閲覧いただきありがとうございました。