スタッフの山口です。
今回はGibson B-25のトップ矯正とブリッジ交換を画像多めで淡々と見ていきたいと思います。画像では分かりづらいですがブリッジ前方が凹んでしまっています。
これまた画像だと分かりづらいですがこの年代特有のプラスティックブリッジが変形しています。今回はエボニーでそれっぽく作り直します。
トップ板が変形しているということはブリッジプレートも変形していますので交換が必要になるのですが、このブリッジプレートを剥がすのが実はメチャクチャ大変な作業です。
プラスティックブリッジは接着剤ではなくボルトでついているだけですのではずのは簡単♪
トップを平らに矯正するためには厚型のピックガードも外します。
このベッタベタの糊を除去する作業も実は大変です。
そして地味な作業。あの手この手でとにかく除去しなければいけません。
苦労してブリッジプレートも外せました。上に置いてみるとトップ板の凹みと同じ形で変形しているのが分かりますね。これはもう御役御免。
左の分厚いのは新しいブリッジプレートを接着するのとトップを矯正するためのジグです。
分厚いアクリル板で自作した矯正ジグで矯正とブリッジプレート交換を同時に行います。
クランプを少しずつ強めて行きます。
平らになったら白熱球と湿った布切れでギター内部の湿度と温度を高めて行きます。
いい感じにトップ板が温かくなったら白熱球は消して数日間寝かせます。ありがたいことに当工房の棚は常にこんな感じで入院患者(ギター)が絶えません。
感謝。
すっかり乾燥し数日間寝かせたことですっかり平らに。
矯正前にこうして撮っておくべきでした。
新しいブリッジプレートがしっかりエスコートしてくれているので安心です。
さて次はブリッジ作製。
プラスティックブリッジっぽくエボニーで。
墨入れは多少大きめにしておきます。
ベルトサンダーである程度まで成形します。
細かいところまで似せてあげたい一心でかんばります。
穴の位置は決まっていますのでピッタリサイズを合わせるのも気を使います。
手作業でアジャスタブルサドルの溝切り。
ブリッジプレートで塞がっているので当て木をして、
穴あけ。
新ブリッジプレートは敢えて1mmほど大きめです。
接着面はラッカーを剥がします。マスキングしてサンドペーパーで荒らします。
いざ接着です。新旧並べてパシャリ。なんとなくプラスティックに見えますでしょうか。
一晩クランプをして完了です。
新しいブリッジプレートはアジャスタブルサドルのボルトだけになりスッキリとしました。
ステージ上で弾いていればほぼほぼ気付かれないと思います。音もちゃんとビンテージGibsonです♪
プラスティックブリッジは60年代前半しか作られていませんので貴重といえば貴重ですが、何かしらの問題が多いためにGibson社も復活させないのではないかと思います。
なので割れたり変形していて演奏に問題がある場合は今回のような修理にならざるを得ません。もし今現在綺麗な状態もしくは演奏上問題ないのであれば保管状態に気をつけて、すなわち演奏していないときは弦を緩めてあげる事をお勧めします。しつこいようですが・・・( ´ ▽ ` )ノ
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。