スタッフの山口です。
えーと、今回もネックリセットです。基本的にビンテージショップの展示前在庫や委託修理を担当ですので、ヘヴィーな修理が多くて修理のバリーションが少ない分、色んなビンテージギターを分解する様子を楽しんでもらえれば幸いです。
ビンテージギターのブッシュ紛失は地味に取り返しがつかなくなる問題になりますので弦を外したら輪ゴムで止めましょう。
早速指板とトップを慎重に剥がします。
ロッドの仕込み方も様々です。
1930年代当時KalamazooはGibsonの廉価ブランドですのでロッドの仕込み方も同じです。単純にカラマズー工場だからカラマズーというブランド名にしたと考えるのが一般的ですね。
ヒールを少しずつサンドペーパーで削っていきます。
ネット上でノミを使う職人さんも見たことがありますが、僕は怖いので地道にやる派です。
角度をつけた分、指板も足してあげましょう。約0.7mm厚の縞黒檀のシート材を階段状に重ね、それを均してテーパーをつけるのです。
ちょっと分かりづらい画像で申し訳ないですが、こんな感じです。綺麗にしてあげて、いざ接着です。
溝の接地部分にシムを作成し仕込みます。
なるべく接着剤に頼らない木工精度で仕込みます。ここが甘いととても残念な結果を招くことになります。
写真のように接着剤無しで組み込み、弦を張ってもヒールが浮かないのが理想です。
組み込みが終わったらフレットをすり合わせます。
個人的にはリフレットしたいですが、依頼主が良ければそれでOK。
ナットがない状態で工房にやってきましたので今回は新しく作ります。
ブリッジのサドル溝がワイドに長すぎてカッコ悪いとの理由から、
一旦埋木していい感じに直します。
余計な部分を削り落として、
ルーターで溝切り。
いい感じです。
リセットしたのでもちろんサドルの出シロも復活です。
この感じのロングサドルのルックスにこだわり、ここにコストをかけるショップさんの心意気。
1弦側は少し埋木あとが残りましたがサドルが長すぎるよりは良いのです。
良い面構えになりました。
ナットも新しくなった上で、
センターもバッチリ決まっています。
紛失しやすいブッシュも無事です。
全然関係ないですが、最近はZの筆記体をこのロゴでしか目にしていません。
バックのメープル材が廉価ブランドとは思えないグレードですね。かっこいい!!
カラマズーは軽くて音抜けもよく、とってもナイスギターが多い印象です。虎目のピックガードもイカしてます。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。