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トップ割れ&リフィニッシュ(前編) / Ovation Custom Legend 1769


スタッフの山口です。

本日はオベーションの結構大変な修理です。


トップが広範囲で割れています。トップのウレタン塗膜が結構分厚くても、それによって強度が増しているわけではなく、むしろ分厚い塗装が悪さを働くこともしばしばあります。


サイドとの境目も隙間が空いてガバガバに。。こいつは時間かかりそうです。


口輪を慎重に外して割れているところをとにかく接着していきます。写真はないですがプラ板とクランプやジグを使ってあの手この手、です。


この口輪も可哀想な状態なので貝を並べ替えたり足したりして修繕します。オーナーさん自身で修理されたっぽく、接着剤が必要以上に付着していてボロボロの状態でしたがなんとか綺麗になりました。


ブレーシング剥がれも直し、サイドとトップを接着、、さらにバインディングも巻き直したり足したり、、。結構大変だったこの辺の肝心な画像がないのは一心不乱に作業して撮り忘れているということですが、、、悔やまれます。


素直に剥がれてくれないところはあたためて剥がしやすくしてあげます。


オベーションはバックがボウル状で不安定になるのでネックがついていた方が安定しますが、ここからはネックを外します。。


地道に手でサンディング。。


ゴシゴシ。。


うんうん、いい感じ。


塗装の前のマスキング作業はとても苦手です。。


苦手意識の強いマスキングが終わればもう半分終わったようなものです。まずは下地用のウレタン塗装を丸一日かけて繰り返し吹きます。


下地塗装が終わったら個人的には楽しい着色。3トーンサンバーストですのでまずは全体的に黄色、その次に写真のように赤のバーストを纏わせます。


雰囲気を確認するために口輪やブリッジを乗っけてみて、着色の範囲など確かめながら行います。


最後に黒でバースト塗装。同じく口輪とブリッジを乗っけてみて、、いい感じでしょうか。。(実を言うと2回やり直して3度目の正直です。)


満足のいく着色ができたら最後トップコートを丸一日かけて吹きます。


仕上げの番手の耐水ペーパーで水研ぎをします。


一旦曇りますが、、


コンパウンドをつけてはバフ掛け、を繰り返して美しい仕上げを目指します。

理想は一発で決めたいですが、サンドペーパーのスクラッチが完全に消えるように仕上げるにはなかなかそうはいきません。


ピカピカになりましたが今回はここまで。

トップ割れ修理とタイトルをつけていますが、サイドバックとの乖離やブレイシングの激しい損傷もあり、写真がないのが悔やまれますが実はスタートからここまで半年近くかかっています。今回のように重傷な修理の場合、他のお客様の修理と並行して合間合間で行わないと生業としてしんどくなりますので、お預かり期間を1年以上見ていただくこともあります。どうかご理解いただけますようお願い申し上げます。

次回は後編のネック組み込み〜完成編です。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。