本年最後のブログでございます。
本年中も大変お世話になりました。
また新しい年もよろしくお願いたします。
今回はピックアップ。
ピックアップを取り付ける際には、いろいろな事に気を付けて、確認しなければなりません。
先ずはピックアップを仕込むサドルの溝。
溝に歪みがある場合や、幅が均一でない等、精度が悪い場合は、いくらサドルの精度を良く作り上げても満足な結果は得られません。
今回はピックアップを仕込むには浅すぎた為、溝を作り直します。
溝はそのまま深くすればよい気がしますが、全くずれずにその溝を掘る事は不可能な為、一旦溝は埋めて新たに適切な深さまで掘り直します。
サドルの溝は4mm位あれば良いと思いますが、ブリッジ自体が結構薄い場合は溝の底は薄くなります。
その場合はブリッジの接着面が空洞が無く密着していないと、音に影響が出る事があります。
音に芯の無い、音圧が無い音になり、サドルも溝も全てやり尽くしても良い出音が得られない事があります。
頻繁にある事ではありませんが、それが疑われる場合はブリッジは剥がさなければ前に進めません。
もしくは、溝は貫通させて確認して、エポキシなどで充填するのも手かもしれません。
ただ、長年やっておりますと、いろいろ珍しい物や、不思議なものを見る事もあります。
ここまでやって、やっとバランスを出せるようになるのに、溝が歪んで、浅くて、サドルも適当なのに音圧があり、バランス良く出力するギターがあります。
世の中には天才がいるのか、はたまた偶然にそうなったのか。
良く見るのは、「ここまでやったのならもう少し頑張れば良いのに!」という惜しい調整のものがあります。
きっと何時間もサドルを調整したり、作り直したり、足掛け何日、と言う場合もあるのかと思います。
牛骨で作る場合は本当に難しいのですが、ここでは言いません。
身内には教えてあります。
ですが、全てがテキトーでも大丈夫なものがあるのも事実なのです。
世の中には、不思議な事あります。