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ボディ割れ修理 / Martin DSTG


ボディが


見事に


割れています。

幸いにヒールは割れておりませんが、ネックブロックも大きく割れてしまっているので、このままくっ付けちゃう訳にはいかないでしょう。

ネックを外して、しっかり修理して、整えてからネックをリセットします。

 

 

 

仮にネックを取らなくても、割れは接着出来るかもしれません。

但し、ネックジョイント部にも接着剤が付いてしまう可能性が高く、そうなった場合は将来的にネックを外す際に非常に取り難い事になりかねません。

マーチンのボルトオンネックは、ジョイント部も接着されている為、唯でさえ取り難く、ダブテールジョイントの方が返って外しやすいのでは、と思うようなものですから、これ以上くっ付けちゃうのは避けた方がよいでしょう。

 

幸いこの、「真っすぐホゾ(straight tenon)」なら上へ引っこ抜くことが出来るので割れていてもこれ以上割れが広がる心配はありません。

これがダブテイルジョイントの場合は、ヒールから押し出さなければならない為、工夫をしなければ割れが開くばっかりで、ネックが抜ける事はありません。

 

 


しっかりと接着剤が入っています。


このマホガ二ーや


ローズウッド等は


黒い杢目なので割れ跡が目立ち難くなります。


 

ネックジョイントの話になりましたので、もう一つ。

Martin OOO-17 だったと思いますが、ネックが取れずに悩んだ記憶があります。

ボルトオンジョイントなのに、引っこ抜けない。

もうすでに取れても良いくらい緩んでいるのに。

絶対上に引っ張れると思っていましたから、「なんで?」

仕方ないので、ダブテイルジョイントと同じようにジグを掛けて押し出してみましたら抜けた。

よくよく見てみますと、一見ストレートに見えて、何となくダブテイルジョイントになっている。

ジョイントがグラグラルーズでも、これでは上に抜ける訳が無いのです。

 

それ以外にも私の資料とネット検索を駆使して調べられる限り調べて、その答えは見つかりませんでしたが、このモデルは絶対にダブテイルジョイントに違いないと決定した挙句、結果大変な思いした事もありました。

何十年もやっているのに、私、間違ってしまう事があります。

思い込んではいけません。

それ以来、分からないギターに関しては指板を剥がして直接、何ジョイントなのかを確認しています。