本年最後の更新は、やはりネック折れでした。
ポッキっと折れています、まるでお菓子のよう。
こんな折れ方をしてしまうのは、材料が多少弱いこともありますが、(前回のモーリスもそうですが、よい折れ方しないです。)もうひとつはこのギターのアジャストロッドのナットの位置と大きな空洞。
ナットの下がアジャストナットの位置、ややこしいですが・・・
当方は補強の要らない修理をしますが、さすがにこれは必要かと思い、見積もりもそれなりでしたが、実際始めてみると折れた木片同士がフィンガージョイントのようにかなりガッチリ組み合わさります。
いつもの接着剤で、接着がうまく行けば全く問題なく、仕上がりもきれいに出来ます。
接着の際は、いろいろ気をつけなくてはなりませんが、うまくいきました。
塗装も修正して完成です。割れの跡が見え難くするように多少濃い目に着色しました。
白いパーツがナットですが、その下に大きな穴がありそこにアジャストナットが仕込んであります。
元々つや消し仕上げのネックが使い込まれ艶が出ていた状態でしたので、50%位のつや消しで仕上げて、演奏していれば、擦れてそのうち自然な艶が出てくると思います。
古いギターを修理する場合は、あまりきれいになり過ぎないように仕上げる事が多いですが、この場合はオーナーに仕上げてもらいます。
本年も誠にありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。