この画像は、すでに一旦外してから割れてずれた板と力木を直して、バックを貼り直すライニング(カーフリング)(のりしろになる部材)を交換してあります。
預かりの際は、経験からいろいろと想像して見積もり等、考えますがバックを外す際のイメージが端から違っちゃっいまして、思ったように全くきれいに剥がれない、割れたバック板の段差は中々平らにならず、隙間も戻らず、タイトボンドは諦めて・・・と、中々上手くいかない感じや失敗している感じも見て頂ければそれも面白いのですが私、一応プロですから、アマチュアのブログではないので、そこは割愛させて頂きました。
そこから完成までのプロセスが流石と見て頂ければ尚更面白いのですが、そうなると尚アマチュアのブログっぽくなりますし、やっている時は「こりゃ見せらんねえな、お客さん不安になるだろうな。」と思っていたので、画像は自然と撮っていませんでした。
バックが貼れたら、バインディングを巻く準備に掛かります。
バックは一旦外してしまうと、元の位置には戻りません、今回は相当手を加えていますので大きくずれます。
ずれが最小限になる様に、バインディングの厚み内で雰囲気良く修正できる様に、いろいろと工夫をします。
始める前は、バインディングもライニングも疑う事無くそのまま使う気だった自分が哀れです。
完成は次回に見て頂きます。
今回は、「すごく苦労しましたー。」と言う事ばかり言っていましたが、プロと言えど魔法使いではありませんので、私が尊敬するあの人やあの人も絶対に同じ様な苦労があるはずだと思います。
先日感じたのは、ある方のギターが他工房でいろいろと理由があるようで中々直って来ず、修理屋に不信感を持ったその人が当方へ、相談に来た事があります。その際は腕のよいリペアマンですと、知人に紹介され依頼したのだから、信じて任せたほうが良いですよ、とお話しましたが、先日「1年位前・・・これこれこうで・・・」となんだかんだで未完成で引き上げたらしく、最初に依頼して断られた神田の某ショップで再度依頼して見てもらったようで、「これギターが壊されていますよ!」と言われ、訳を聞いた某ショップは「それならうちで預かります。」となり、当方へ画像持参で「これは、本当に壊されているのですか?」と訴訟も辞さないので第三者の意見が聞きたいのですが・・・と何故か話だけを聞きに毎回うちへ来ていただくのですが、話を聞いて、画像を見て、誰がどう見ても悪いのは修理屋なんですが、どんだけ苦労したかと思うと頭ごなしに悪くは言えなっかったです。
腕が良いと言われる人がこんな事してると思うと、相当苦労したんだろうと思ってしまいます。
プライドが高く、聞ける人が居ないのか、そんな事しなくても・・・
と、「修理に魔法はありません。」の回でした。