スタッフブログ

ネックリセット / Martin D-18V


ネックリセットも他の修理も毎回同じ事をやっていますが、やっている物に対しては毎回そのものをどうするか考えます。


今までよく言っていた事のひとつに「サドルの出過ぎはカッコ悪い」とよく言っていました。

これまで見ていただいた方は、これを見て「おっ、ちょっと高けーじゃねーか。」と思うとおもいます。

何れにしてもサドルの高さは、どちらに転んでも許容範囲に納まれば良いのでこれはこれで良いのですが、今回の少し高めサドルにも多少意味があります。


これは私の好みですので、高いサドルが好きな方は、「高くして。」とリクエスト頂ければその分ネックの角度をきつく仕上げます。

但し、以前サドルの高さ、弦高の指定ありで修理依頼があり、引き受けた事がありますが、その時は奇跡的に決まりましたが、そのような何mm指定のリクエストは二度とやりません。

頭が燃えそうでしたので、倍の見積もり出せばよかったと思っています。 

(補足・・・チューニング後、弦高の変化は個体差やセッティングの状態で差が出るので、一概に計算通りには行かないし、リフレットありなので計算は不可能。)

この見えているサドルの部分が全ての高さではなく、下に溝が掘り込んであるので実際にはもっと深く入っています。

ですので以前見た、新品状態の時に笑っちゃう位サドルが出ていても強度は確保出来ているのだと思います。

だからと言ってあんなに出したら、カッチョ悪いのでリクエストが無ければやりませんが、いつもよりちょっと高めなのは、近い将来リフレットした時、今より少しサドルを削らなければならないからです。

(当方のネックリセットでは、リフレットはやる場合と必要なければやらない場合があり、必ずセットになるものではありません。)

リフレットする際、指板は調整(修正)をして、新しいフレットを打ちますが、物によって弦高が上がったり下がったり、変わらなかったりと区々です。

こちらの固体は、そういった予想が立つ事とブリッジの構造上高くしても良い強度があります。