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ネック折れ修理(塗装修正なし) / Gibson Hummingbird


当方のネック折れ修理は、タイトボンドは使用しません。

何故なら補強しなくては、ならないからです。


補強すれば、塗装も含め手間が多く掛り、修理代も高く掛ってしまいます。

折れている所同士が一番密着度が高く、そこを強く接着出来れば、それが一番理にかなっています。


倒しても折れない事を目指せば、接着した部分を削り取って、別の材料を足す事も考えられなくも無いですが、アクシデントは付きものですし、そうなれば離れた別の所が折れます。

何かあって折れるとすれば、この付近が折れてくれるのが修理には都合が良いのです。

 

 

どのネック折れの修理方法でも大きく音が変わる事はありませんが、当方では補強をしませんので元のネックと質量はほとんど変わらず修理出来る為、音の変化はほぼ無いと言って過言では無いでしょう。

 


接着後は割れた部分に段差が出ますのでそこは、はみ出して残った接着剤と共に削り落とし、磨きます。


ギブソンのように塗膜がある程度厚ければ、接着後の整形で塗装が大きく剥げずに仕上がる場合も多くあります。


塗装修正をする仕上げの場合も、塗装修正が無い仕上げの場合で塗装が大きく剥がれてしまう場合も、何れも強度は変わりません。

 

 


 

補強無し修理をご希望の方は、

「使っているうちに、また同じ所にヒビが入って来た。」と言うようなクレームは何十年来ありませんので、お問い合わせ頂ければ、幸いです。

 

補強あり、無し、どちらが正しいと言う事はありませんので、悪しからず。

修理するギターのオーナーが良しとする修理屋へ依頼することが正解と言う事でございます。

 

思い出した事が一つあります。今から25年位前、私が強力な接着剤でネック折れを修理したその後、何かのギター雑誌だったと思いますが、どこかの職人さんが「木は生きている、呼吸しているのだから、そんな接着剤で付けてしまっては、ギターがかわいそうだ。」と言うのを読みまして、

「俺のこと?」と見てたんじゃないか、と言うタイミングで読んだのですが、今思えば、あのおじさんは直しても直しても、折れているんだろうな。と時折思います。