アダマスの12弦ギターのネックリセットでございます。
修理するだけでなく、いつものように補強出来る部分は補強します。
この空洞部分が潰れてネックの角度が狂います。
少しでも強度が補えるようにエポキシパテを充填します。
空洞はずっと奥まであるので、ある程度適当に詰めますが、詰めた部分はギュッとね。
しかしこの空洞があっても無くても、チューニングしたままではネックの角度は狂っていきます。
製作家やメーカーが理論や計算を積み重ねて強度を上げてもアコースティックギターのように空洞のボディにネックが付いている以上、長期間チューニングしたままではネックの角度は狂ってしまうでしょう。
ですがそうした作りての、いろんな思いが今のバラエティーに富んだブランドを生み出しているんでしょうね。
メンテナンスフリーのようなアコースティックギターが作りたいと思っても、そうするとアコギらしさから遠ざかってしまう。
音もデザインも良くしたい…かと言って、トラディショナルなギターをより良く作るんだと言ったって、そりゃ大変。
こんなに難しい事は無いです。
修理のついでにグリスアップ。
ワッシャーも追加します。
目一杯、アジャストロッドを締め込んであったものは戻しても効き巾が狭くなっていることがあります、その際はワッシャを追加すると多少効き巾が出来ます。
ボルトオンネックは、ダブテールジョイントの物と比較するとチューニング後のネックの角度の変化量が違います。
アダマスのハイポジション部の指板は、初期の物は接着しておらず、こちらは内側に接着剤が充填してあります。
「接着して無いのかな?」と言うような接着がアダマスっぽい雰囲気。
Ovation のネック角度を調整する場合は、ヒールは削らず、シムで調整します。
本来のギターの調整としては違うのですが、カマンバーと言うロッドがネック、ヒールに仕込んである事や、メーカー自体この調整方法の為、それに倣って調整しています。
Ovation のヒールでも削って角度調整している方もいるようですが、本来であればそちらが正解なのかと思いますが、当方ではOvationらしくやっています。
最近また、Ovationを弾く人が増えて来たような気がするんですが。