スタッフの山口です。今日はGibson Humming Birdのナット交換を見ていこうと思います。
ナットは消耗品ですのでチューニングや弦交換を繰り返すだけでも溝が深くなり過ぎてしまうことがあります。
軽く叩くだけで素直に取れてくれるとホッとします。消耗品ですので取れなくなってしまうほどガチガチに接着してはいけません。次に修理する人にちゃんとバトンを渡してあげるのが大切です。
基本的には牛骨を使ってナットを作成します。
ネックバインディングが縮んでいる場合もありますが、これはピッタリ指板とネックに接しています。
ある程度形を作っておきますが、左右のツラは大体この時点で合わせます。
溝を掘る前に養生します。テープの粘着力は弱めておきましょう。
今回は既存のナットを参考に溝を掘ります。弦間を広くしてほしいなどご要望にお応えすることも可能です。
まずは1弦と6弦を決めます。基本的に端から弦の中心まで2.75mmを目安にすることが多い気がします。
1弦6弦の位置は既存のナットと大きく違うとお客さんも違和感を感じてしまいます。ただ元のナットがあまりにおかしい場合はあえて変えることもあります。
ピカっとなったら再度つけて最終調整。
弦間チェック。ここがバラバラだったり極端に内側に寄ってると残念な感じになります。
ナットの深さは弦高を調整のために掘るものではありません。サドルがこれ以上下げられないからといってナットを掘っても開放弦がビビるだけです。
ナットはギターにとって音にも弾きやすさにも直接影響するパーツです。こちらのギターも喜んで鼻歌(Humming)を歌っているに違いありません♪
今週も閲覧いただきありがとうございました。