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フレット交換 Gibson MK-35


スタッフの山口です。今回はGibson MK-35のフレット交換です。特徴的なピックガードでとても分厚いです。


丸い両面テープで貼ってありますね。

後にも先にもこのピックガードの形はこの機種だけです。


口輪も剥がします。指板やフレットを擦る時に傷つけてしまう構造ですのである程度簡単に剥がせるように考えられているのでしょう。ブリッジもこの機種だけの特徴的な形ですね。


今回はショップからネックリセットするコストはかけられないとのことでネックアイロンのリクエスト。これである程度仕込み角度を矯正します。ネックアイロンでは矯正があまり効かない時も多々あります。


今回もネックジグを使用します。


演奏中の状態を再現しながら指板修正ができる優れもの。


指板をサンドペーパーで擦り、歪みを無くします。表面の汚れや傷がなくなって指板が綺麗になりました。


フレットを浮きがないようにコンコン確実に打っていきます。


フレットのエッジは弾いてる時に滑らせてもチクチクしたり引っかからないように角を丸めます。これが本当に難しく時間がかかります。


工程は飛びますが、フレットの仕上げはボンスターで。コンパウンドは使わずとも程良く輝きます。


新しいフレットの高さに合わせてナットも作り直します。


口輪とピックガードを元に戻して完成です。


 

Gibsonの中でも異色のルックスMK-35。75年〜79年の4年間だけ作られたMark Series、MK-35はサイドバック材がマホガニーですが、実はメイプルサイドバックのMK-53、ローズウッドのMK-81、ハカランダのMK-99とあるそうです。フォークソングブームが下火になり始めた時代も相まって売れ行きが全く芳しくなく、日本にもあまり出荷されませんでした。その後Gibsonのアコースティック工場が閉鎖に追い込まれたことからGibsonの黒歴史、迷走ぶりを象徴するギターと言われることもしばしばだそうです。

そんな背景を知ったからでしょうか、、何だか「てやんでい!俺だって良い音鳴らすんだぜ!」と言っているような顔つきをしていますね(⌒▽⌒) 

確かにイイ音を奏でてくれましたよ!

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。