ネックリセット
ネックリセット / Gibson J-45

以前、師匠の皆川も僕もJ-200でこのトップ板を挟み込んだジョイントに遭遇しています。ヒールとボディの帳尻が合っていますので生産時にGibsonが一時期だけ行っていたようです。
理由は分かりませんが、おそらくなんらかの理由で工程の変更を試み、ネックとボディを組んでからトップ板を貼り、最後に指板を貼り合わせたのだと思います。当時の職人さんたちの中の誰かが「あれ?これじゃあ修理の時にネック外せないしヤバくね?」みたいな一言があって即時元通りに戻したのではないかと想像できます。
こういうミステリーがGibsonには歴史に散りばめられていて、それがまたこのメーカーの面白いところでもあり魅力だったりします。
今回も最後までありがとうございました。
指板貼り直し&ネックリセット / Martin 00-18 (50s)
次回はネックの塗装修正〜リフレットを見ていただきます。
オールドの00−18、コイツの修理はかれこれ10本以上やらせてもらってますが、なにしろどれもハズレ個体のないナイスギター。あくまでも個人の感想ですが、OOサイズがマホガニーサイドバックと一番相性が良いのではないか、と考えています。00サイズまではローズウッドではなくマホガニーサイドバックが多いのはMartin社がそれを大昔から知っているからなのではないでしょうか。
今僕が一番欲しいギターです。
予算が我が家の大蔵省(古い表現 笑)から出る望みは薄いです(/ _ ; )。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
ネックリセット、バインディング剥がれ / Martin OOO-45
① 45グレードでもこの頃(現在は無いと信じている)のネックジョイントのシムは紙切れです。
②③ ④バック側のバインディング剥がれ、The Martin現象と言いましょうか。
④ このギターの場合は2本のバインディングでボトムで継いであります。
通常は1本のバインディングで巻いてあるのですが、この象牙柄のバインディングは長いものが無いのかもしれません。
リフレットしましたのでナットも交換してあります。
私のブログの画像の配置はスマホで見ますと私の予期しない配置になってしまっていますが、PCで見て頂けると前後の画像が全てではありませんが、なるべく比較し易いい位置に置いてあります。
よろしければ過去のブログも見て頂ければ、比較し易く画像を配置してあります。
ネック角度が付いて14フレット以降が下がる為、指板エンド部に向かって厚くなる様に調整してあります。
指板に厚みを付けた後、バインディングも付けなければなりませんので多少面倒です。
Gibson L-1 ←よろしければご覧ください。
必ずこのサドルの画像の際に言い訳が入ります。
もうちょっと低い方がカッコいいのに。
なのですが、低く狙って角度を決めて、リセットしてリフレットも終わり、サドルは低いけど低過ぎになってしまった場合は、やり直しです。
ここまでやってもう一回ネックを外さなければならなくなり、角度調整しなければならず、そうなるとまた他の部分も変わるので各々調整が必要になります。
「あ、ヤリナオシダ…」
その時ってね、すごくガックリするんです。
また、あーならない様に少し高目になった場合も、思いの外サドルを削らなければならない場合もどっち転んでも良い程度に角度を決めます。
なので、サドルが低くてカッコいい時はたまたま!
いや、たまたまでは無くてちゃんと考えて仕事してますが、なかなか思い通りにはいかないと言う事でございます。
ロッド交換、ネックリセット&フレット交換 Gibson / J-50 Double P/G
ピックガードが片方ないですが、、全体的にいい感じです。
ケースの蓋を開けた瞬間に「いい感じ!」と思えるルックスのギターはたくさんありますが、先日2000年頃の Martin OOO-28ECのお客様がいらっしゃって、とても「いい感じ!」のルックスでした。ECは元々トップにエイジドカラーで着色?されていますが、まるで50年代頃のルックスのようなリアルさで迫力がありました。聞くと新品で買ってずっとメインで弾いているとのこと。
弾き込まれたギターのルックスはやはり迫力があってかっこいいですね。そしてそんなルックスのギターはもちろん音も素敵です。
僕の私物のギターはまだまだ幼いルックスなので迫力が出るようにがんばります。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
ネックリセット&サドル溝修正 / Martin D-28 1962
ネックリセット&ブリッジ溝修正 / Kalamazoo
ネックリセット / Epiphone TEXAN 1968
ネックリセット / Martin OO-15
過去にも何回かMartinのボルトオンタイプを紹介しておりますが、ボルトオンなのに接着してると言う点を確認して、やっぱりなと思う回です。
ダブテールジョイントなら15フレットから空間に穴を空ける事が可能なのですが、これの場合はこのアジャストロッドのすぐ脇をピンポイントで空けなければなりません。
穴を空けずに何とか外す事が出来ていますが、動く気配が無ければ穴を空けてダブテールジョイントと同じようにはずしかないと思います。
いずれにしても、ボルトオンジョイントなのにとてもめんどうなネック外しです。
ダブテールジョイントは角度の調整が終わった後、シムを作って隙間を無くしてネックを固定します。
ボルトオンジョイントはシムの必要が無く接着せずにボルトで固定します。
作業上この点以外に差が無い訳なのですが、角度の調整をするまでが大変なのでほとんど手間は一緒、いや、外しずらいので返って手間と言っておきます。
はじめてやった時は、動揺したことを覚えています。
「なんで取れないの?」「他にまだどっかにネジ打ってあるの?」「???」
その時大先輩の方に電話しました。Martinやアコギの事ならその方に聞く。
「そんなことないけどね、ボルトンなら取れるはずだよ。」
分からないままなんだかんだいじっていると少しずつ動いているので、温めたりしながらじりじりと動かして何とか外れて見て、「接着してたのー!!!」
びっくりしました。
なので最初は、たまたま接着しちゃったものに当たったんだと思っていました。
ですが、どれも必ず接着してありますので 、申し訳ないのですがマーチンのボルトオンはダブテールジョイントと同じ料金になっております。
ご了承くださいませ。
ネックリセット /Gibson L-00
一目で分かるヴィンテージギターの風格です。このくらいの小ぶりなギターを自宅用にずっと探しておりますが、何せ良いギターにたくさん出会える恵まれた環境におりますゆえ、目移りして迷っているうちにどんどん相場が上がって手が出なくなってしまいました( T_T)\(^-^ )
そんなナイスギターを数多くネックリセットしてきた当工房ですが、皆川氏も僕もカウントしておりませんので一体今まで何本やって来たのかわかりません。しかしながら全国的にネット検索しても、うちほどネックリセットの記事をあげている工房は見当たりません。
「ネックリセット本数日本一!」の看板を自ら掲げなくとも、お客様がブログを見て「ここは日本一やってそうだな」と思って安心して預けていただければ幸いだと思っております。
「数をこなすよりも大事なことがあるぞ」、とどこかから聞こえてきそうなので今日はこの辺で失礼します。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。