お世話になっております。スタッフの山口です。今回は最もポピュラーなメンテナンス、「ナット交換」について詳しく見ていこうと思います。弾きやすさや音に直結するパーツですので、修理職人を志す者にとって最も基本的でありながらとても難しく繊細な作業の一つ。終始0.1mm単位の精度を必要とします。
お世話になっております。スタッフの山口です。今回は最もポピュラーなメンテナンス、「ナット交換」について詳しく見ていこうと思います。弾きやすさや音に直結するパーツですので、修理職人を志す者にとって最も基本的でありながらとても難しく繊細な作業の一つ。終始0.1mm単位の精度を必要とします。
お久しぶりです。工房スタッフの山口です。しばらく写真の整理が出来ていなかったためご無沙汰になってしまいました。またちょくちょく登場させていただきます♪
今回はKamakaのウクレレのブリッジ交換です。見ての通り、4弦側が欠けてしまっていますね。今回は新しく作り直します。同じ材、同じ寸法で完成を目指します。
磨いてレモンオイルをしつこく塗ったばかりですので元のブリッジよりも濃く見えますが、オイルが落ち着いたら同じような色合いになりました。後はトップに貼ってサドルを作って完了なのですが、写真を撮り忘れてしまい今回はこれでおしまいです(*_*)
来週はYAMAHAのギター修理をお送りします♪
いつも皆川ギター工房のブログをご覧いただきありがとうございます。スタッフの山口です。
今日はブリッジの作製をまとめて3個見ていきたいと思います。既製品のブリッジも売られていますがそのギターの型や年代、仕様に沿ってなるべくオリジナルに忠実に一から作っていきます。
山口君に、もうしばらく続けてブログを書いてもらいます。
手を写しちゃうところなんかは、私に無いセンスですね~。
さー、今週のお題もはりきって、テキスト付けてくんなまし。
、、、と言う事でテキストをつけて行きたいと思います。スタッフの山口です。写真はすでにネックを外し角度を決めた後。0.5mm厚のエボニー(黒檀)を階段状に3枚重ねて接着しサンドペーパーで均してから写真のように指板に貼ってあげます。角度をつけるとハイフレットが下がってしまいますので、厚みを足してあげる必要があるのです。ギターによってはこちらの工程が必要ない場合もあります。
指板の厚みを足し過ぎると逆にハイフレットが跳ねてしまい、指板修正しなくてはならなくなります。逆に低過ぎるとせっかく下駄を履かせたのにお辞儀してしまいます。この指板の厚みを接着前に調整する工程は非常に難しいです。ギターの為にもコスト的にも余計な修理工程は増やさない方が良いのです。
デデン!お待たせしました。Martin 0-18 1931年製の全身画像です。もはやヴィンテージというよりアンティークに近いです。アコギの博物館に飾られるであろうオーラを感じます。1931年といえば満州事変があった年、それから90年が経ち、大日本帝国も中華民国ももうありませんがこちらのギターは当時のままです。もしかしたら200〜300年後はストラディバリウスのような価値になるのでしょうか。
スタッフの山口です。今回のギターはGibson CF-100のブリッジ交換とネックリセットの修理です。まずはネックリセットの前にブリッジ交換。初めからブリッジが無い状態でこの工房に入院しましたので交換と言うか作成です。写真に写っている角材をちゃんと50年代のGibsonらしいブリッジに成型して行きます。
オリジナルに忠実ないい感じのディテールで仕上げる事ができました。本来はブラジリアンローズウッド所謂ハカランダのブリッジですが、今回は先鋒と相談の上、インディアンローズウッドでの作成となりました。当工房にもブラジリアンローズウッドのブリッジ材は辛うじてまだ在庫があります。当然またいつ仕入れられるか分からない状況ですのでブラジリアンローズウッドのブリッジ作成交換を予定している方は是非お早めにご検討下さいませ(^-^)/
この後は弦長を測ってオリジナル通りロングサドルの溝をルーターを使って掘ります。
スタッフの山口です。今回もいつの間にか師匠が写真だけアップしておりました(笑)ので修理当時を思い出しながら文章を付けて行こうと思います♪( ´θ`)ノ
今回はネックリセットとトップのクラック直し。ギターは所謂「アコースティックギターの教科書」的な存在、MartinのD-28です。写真はおおよそ15フレットの下にあるダブテイルジョイントのスポット(隙間)にヒートスティックを挿入し温めているところです。接着剤(にかわ)を温めて徐々に力を加えることでボディーから外れます。
スタッフの山口です。今回はコチラ!GibsonJ-45(1967年製)のロッド交換です。写真はすでに指板を剥がしたところです。マホガニーネックの真ん中にメイプルの埋木、そのメイプルの下にお目当てのロッドが埋まっています。
約50年ぶりにロッドさんが外界にお出ましです。ガッツリ錆びています。まだ僕が生まれるずっと前にアメリカでこのギターのネックに埋められ、それから50年余り。複数のオーナーの手に渡り、その間に海を越えて、こうしてこの日本で最期の時を迎えることとなりました。きっとこのギターで奏でられたたくさんの音楽をずっとこのネックの中で聴いてきたのだと思うと、そのロマンを感じると共に「お疲れ様でした」と言いたくなります。
これからはこちらのロッドくんにこのギターのネック調整を担ってもらいます。このロッドは師匠が知り合いのバイク屋さんに掛け合って作成(溶接)してもらった特注品。長さを合わせてカットし、ロッド頭はねじ切りダイスで加工します。ロッドエンドは少しだけ大きくなるため、それに合わせて溝も調整します。
ロッドを溝に合わせてしならせた状態で埋木もそれにピッタリに沿うように作ります。埋木は修理前と同じメイプル材、工房で10年以上シーズニングされた材です。この後は埋木をネックに合わせて削り平らにして指板接着。接着後、指板とネックの境目を均してから師匠が塗装を修正、という流れになります。
無事にロッドのアジャストが可能になり修理完了です。ネック角度が狂っている場合は一緒にネックリセットを行いますが幸いこのギターは元起きもなく、ロッド交換だけで良い状態になりました。
実はこちらの修理は2年前のもので、まだ弟子入り2年目。横で指南しながら見守ってくれているとはいえ、本物のヴィンテージギターで大掛かりな修理経験を積ませてくれる師匠、そして修理依頼元である某ショップに感謝です。
アジャスタブルサドル特有のパーカッシブルな音、60年代後半の赤みのあるタバコサンバースト。まさに僕が欲しいGibsonのアコギ。修理前から密かに目を付けていましたが、当時は「これから先さらに良いギターに出会えるかもしれない」と思い購入はせず。。。案の定、ショップ納品後2〜3日後には売れてしまいました。人も楽器も一期一会、「これは!」と思ったら迷わず買っておくべきだと痛感させられた思い出深いギターです。今頃どんな人が弾いているんだろう。
「ヴィンテージギターなら価値が下がる事も少なくむしろ上がっているので、貯金や投資のつもりでとりあえず買っちゃって手元に置いておくのも全然有りですよね」と師匠と度々話します。同時に「宝くじでも当たらないかなー」とも話します。笑
逆に気入っていたギターをちょっとした状況や気分でポンと売ってしまい、すごく後悔しているなんて話もよく聞きます。ギターフリークあるあるですね♪( ̄▽ ̄)
スタッフの山口です。50年代のGibsonJ-45、写真はすでにネックを抜いたところ。ダブテイル部に見えている丸いのはアジャストロッドの終端部です。60年代以降はこのようにダブテイル部分まで終端部が貫通していません。写真のような貫通型の方が製作工程で手間がかかると思われますので、効率化の為に設計を変えたのだろうと勝手に思っています。このロッドの仕様変更は正確にはいつなのでしょうか。もしかしたら師匠なら分かるかもしれません。
皆川ギター工房スタッフの山口です。今回のギターは1966年〜1969年製と思われるエピフォンのテキサン FT-79のネックリセットです。ナローネック+ハカランダサドル。当時はもうすでにGibson傘下ですので、ミシガン州のカラマズー工場で製作されたギターです。Gibson同様、基本的にヒールが太く、木工精度も高いのでスムーズにネックが外れると本当にホッとします。ちなみに画像はもうネックを外したところ。なんかネックブロックに数字がスタンプされていますね。
ネックの角度がいい具合に決まり、いよいよネックを着けるぞ、というところでパシャリ。接着後のフレットすり合わせや弦を張った時の雰囲気など、様々な要素を想像して角度を決めます。その後さらに師匠に見てもらいGOサインを貰ってから接着です。
ネックの角度を調整する前にブリッジを作成します。
基本的に指標となるブリッジがないとネックの角度調整ができませんので。
右が薄く削られてしまった元々のオリジナルのブリッジ。
左はアメリカから取り寄せられるマーチン風の既製品のブリッジ。
真ん中は僕の作成途中の新ブリッジです。0.1mm単位で師匠に相談しながらディティールの調整をしていきます。