出来るだけきれいに仕上げる理由は、「折れた跡が見えて、心が痛んでしまわないようにする為」もちろん他にも色々あります。
塗装修正は、しない理由もいろいろあります。
ブラックライトでも当てなければ、楽器屋さんでも欺く事が出来る位自然に仕上がる時もありますが、折れて修理した事実はあります。
その修理も、そのギターの歴史の一部として愛でて頂ければ幸いです。
過去のブログ等でも触れていますが、このように再度アクシデントがあった時には、修理し易く、し易い所で折れてくれるのが良いのです。
ほとんど同じ所が折れていると思いますが、接着面(過去の修理部分)は修理していない所より強い為、強度の差が大きい部分が折れます。
こう言った、エイジド加工は正直、やった事が無いので自分のギターで練習してみようと思っていますが、忙しいを言い訳に時間を掛けてやってみた事がありません。
クラッキングは入れてしまえば、それなりに見えると思いますが、それでも上手い下手はあると思いますので、じっくり練習してみたいです。
塗装修正までやって仕上げる場合は、古い物はそれなりに、雰囲気が新しい物にならないように修理していますが、この歳になっても修行は、まだまだ続きます。
ネック折れ修理(塗装修正無し)でございます。
もう毎回毎回大体似たような事なので、書くことが無いのでございます。
このブログを毎回楽しみにしていてくれている方々もいらっしゃいますので、なんとか期待に沿いたいのですが、もう随分前からマンネリ化はしていますので、飽きて来ている事と思います。
ネック折れの場合は、ビフォーアンドアフターの画像だけでもそれぞれ違いますので、それだけでいいんですが、なんとか書いてみようと思います。
当方のネック折れ修理は基本的に補強はしない方針の修理なのですが、(初めての方は過去記事にその理由がいくつかの記事に書いてあると思いますので、読んで頂ければ幸いです。)そうは言っても他人の事も気になるのが人情でありまして、文明の利器を駆使して他人の仕事っぷりを見たりしています。
見せたがる人が世界中にホントに多くて、色々勉強になります。
私も絶対に補強をしなと断言はしてませんし、場合により必要だと思っていますので、「この修理は、いいですな~。」と感心することも勿論あります。
反対に「そら、強度が足りんのじゃないか。」や「気持ちは分かるが、無駄な事やってるな~。」等と一人で楽しんだり、勉強したりしております。
この「一人で」と言うところが大事で、修理屋はそれぞれ流儀や考えが違いますから、正解不正解ありませんので、こういった所で詳しく取り上げて、そこここがどうのこうの、とやってはいけません。
そのような事を書いている記事があれば、きっと素人さんのサイトでしょう。
実際には、他者の仕事にどーのこーのやってるサイトは、ほとんど見た事はありませんので、他のみなさんも弁えていらっしゃるのだと思います。
それか、自分以外に興味が無い、頑固一徹。玄人職人のイメージの人。
他工房との違い(補強の要らない理由など)は、当ホームページ内や対面で質問等があれば説明しております。
当方のネック折れ修理は、基本的に補強はしない修理です。
ネック折れ修理の接着剤は、タイトボンドやニカワでは無く、補強の要らない接着剤で修理する為その分コストが下げられ、塗装修正をしない仕上げなら更にコストを下げられます。
塗装修正の有無で強度の差はありません。
修理後の取り扱いに注意点等の質問もありますが、それは特に無く修理以前と同じように扱って大丈夫です。
ぶつけたり、倒したり、踏んづけたり、投げたりしなければ通常通り使って頂いて問題ありません。
但し楽器のコンディション維持の為にも太い弦を使用している場合や、アコースティック構造のギターは弦を緩めて管理するのが理想です。
いろいろな説がありますが、弦はしっかり緩めてください。
緩い分には、いくら緩くても大丈夫です。
どのネック折れの修理方法でも大きく音が変わる事はありませんが、当方では補強をしませんので元のネックと質量はほとんど変わらず修理出来る為、音の変化はほぼ無いと言って過言では無いでしょう。
補強無し修理をご希望の方は、
「使っているうちに、また同じ所にヒビが入って来た。」と言うようなクレームは何十年来ありませんので、お問い合わせ頂ければ、幸いです。
補強あり、無し、どちらが正しいと言う事はありませんので、悪しからず。
修理するギターのオーナーが良しとする修理屋へ依頼することが正解と言う事でございます。
思い出した事が一つあります。今から25年位前、私が強力な接着剤でネック折れを修理したその後、何かのギター雑誌だったと思いますが、どこかの職人さんが「木は生きている、呼吸しているのだから、そんな接着剤で付けてしまっては、ギターがかわいそうだ。」と言うのを読みまして、
「俺のこと?」と見てたんじゃないか、と言うタイミングで読んだのですが、今思えば、あのおじさんは直しても直しても、折れているんだろうな。と時折思います。
ネック折れ修理は、修理者によって区々ですので、初めて当サイトにお越しの方に多少説明いたします。
簡単に申しますと、補強が無くても折れない接着をします。
なぜ補強が要らないか、タイトボンド等補強が必要な接着剤ではなく、ネック折れ修理に耐える接着剤を使います。
補強をする作業が無く、さらに塗装がなければ、コストが抑えられます。
補強のあるネックで再度アクシデントに見舞われた場合、折れ方が複雑になったり、修理しにくい部分で折れないようにする為。
折れた所同士であれば1番密着できている為、削り取って別の材を足さない為。
等々。
過去の記事にも同じようで異なるような修理がありますので、いろいろ見て頂ければ幸いです。
補強をすれば問題ないかと言えば、長い事修理屋をやっていて色々見てきていますと、補強が仇となっている例も時折見ます。
原因は色々ありますが、とてもうまく作業されているにも関わらず気付いたら隙間(はがれ)が出来ていたという例もあります。
へたな補強は問題外として、うまいのに何故と言う場合はおそらく、補強した材、もしくは本体側がやせてしまう、同じ樹種、材料を使ってもシーズニングの度合いや材木の部位が違いますので年月が経ってずれてしまったように見えます。
もしくは接着不良、接着剤不良、等など。
ネック折れ修理に関しては、修理屋の考え方の違いや流儀がありますので、それぞれが正解だと思います。
不正解は、何故補強するのか、自分のやっている補強方法について深く考えず理解していない修理。
補強しない理由は何処かに書いてありますが、またそのうちブログでも書かせていただきます。