ピックガード

ピックガード交換 / Gibson Dove


Doveのピックガード


崩壊


きれいに直して交換します。

セルのベッコウ柄ピッグガードやバインディング、全体的に茶色っぽくてその中に白っぽい柄が入っているのですが、その白っぽい部分から崩壊が始まります。

湿気を吸ってしまうようです。

私のベッコウ柄のセル材料もしばらく使っていなかったら、しっとり湿気って壊れていました。

置いておく場所は高いところに置かなければいけませんでした。

セルの材料は現在はほとんど入手不可能なのでもったいなかったです。

 

 


 

先程の画像でも確認出来ました、割れも直さなければいけません。

当然力木も剥がれていますので、良く調べてしっかり接着します。

トップの力木剥がれは、剥がれている位置によっては物理的であったり、小さいボディのギターではサウンドホールから手を入れて作業するには不可能な位置が剥がれている事があります。

トップ側の力木を確認するには鏡を使わなくてはならず、配置も複雑です。

届かない部分等は鏡を見ながら長いものを使って作業しますが、昔の慣れない頃は私の不器用さも相まって笑っちゃうくらい難しかった記憶があります。

 

トップ側の力木修理は、バック側より数段面倒な場合がございます。


 

こちらは、(有)バードランド製のピッグガード

切り出します。

なかなか難しいです。

画が思った位置に収まらないのです。

 

 

 

 


 


とても雰囲気は、よろしいです。

 

Gibson のP/Gの多くはMartinと違い指板に沿わせてサウンドホールの位置を合わせなければなりません。

どちらかがずれれば位置がおかしくなります。

Gibsonの場合、Martin と比べますと、いろいろと面倒が多いです。

 

ピックガード交換 / Gibson J-35

スタッフの山口です。

今回はピックガード交換です。今回はクイズ形式です。

Q.写真の今ついているピックガードは問題がなさそうに見えますがオーナーさんは交換を希望しました。それはなぜでしょうか?

答えは最後に。

ピックガードを剥がす作業は油断できません。木表面を痛めないように、またベタベタを取るのもこれまた大変なのです。

古い接着面を除去せず貼っちゃったのか、たまに凸凹のピックガードを見ます。もちろん当人が良ければ全く問題ないですが、仕事として行う場合はそれではいけません。

この画像はクイズのヒントです。

新しい素材の上に重ねて型を取ります。オールドの場合は縮みが激しいのでこうは行きませんが、今回のはリイシューモデルなので縮みがほぼ無く、参考にできます。

貼り付ける前に何度もサイズをチェックして確認。

片側の曲線に合わせると反対側の曲線がずれてしまったり、そもそも小さくしすぎたり大きすぎたり。

文章だとイマイチ伝わらないかと思いますが、やってみると結構難しいものです。世の中そんな事だらけですが。

 

理想はピッタリ、ジャストサイズ。いい感じです。

あとは自然な雰囲気を醸し出す作業、水研ぎと研磨(バフ掛け)です。

バフ掛け作業中は写真を撮れませんのでいきなりいい感じになってます。

 

いい面構えになりました♪

皆さんはもうお分かりだと思いますが、クイズの答え(交換理由)は「虎目柄の向きを変えたかったから」でした。

せっかくリイシューモデルなんだから、なるべく当時のモデルに似せたい!と思うのは至極当然のことだと思います。きっと雑誌やネットで見て「あれ?俺のJ-35と虎目柄の向きが違うじゃん!」と気づいたのでしょうか。

気づいたら最後、ずーっと頭から離れずに気になり続けてしまう気持ち、分かります。

柄の向きもそうですがピックガードの面取りや磨きの工程をプラスすることでいい感じの質感になります。

確かに交換に使用する素材は新品でピカピカ、人によっては気にしない人もいるかもしれません。大きさをカットしてペタっと貼るだけ、わざわざ工房に依頼する必要はありません。

料理に似ています。一手間、二手間を加えることで味が良くなりますが、分かる人は分かるし、全く気が付かない人もいます。何が言いたいのかというと、オーナーが良ければそれでもOK。また、手間を加えすぎて失敗する、なんてこともありますね。一時期、カレー作りに凝って市販のカレールーにこだわりのスパイスや調味料を加えて、結局カレールーだけの方が美味しかった、なんて経験があります。何事も「良い塩梅」があるのだと学びました。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

フレット交換&ピックガード矯正 / Martin D-28 (1950)


スタッフの山口です。

暑くなったり寒くなったりで人もアコギにとっても体調を崩しやすい時期です。

写真のD-28君も具合が悪そうなので治療していきましょう。


ピックガードが硬く反り返って剥がれてしまっています。通常は交換をお勧めしたい状態ですが、オーナー様のご希望でオリジナルのピックガードを再生して残したいとのことなのでなんとか矯正して戻したいと思います。


今回は他の修理もあるのでそっちを進める間、ずっと矯正しておきます。


そしてブリッジを剥がします。

ブリッジを剥がした理由は、、


恐らくマスキング無しのワイルドなオーバーラッカーでブリッジがテカテカになっていたから。綺麗に剥がすにはトップ材についたままでは不可能なので。


ラッカー塗装を除去して本来のブリッジになりました。

ピックガードが硬く反り返ったのもマスキング無しのオーバーラッカーが原因でしょう。


ブリッジを元に戻したら、


フレット交換です。

フレット交換時には指板修正も行います。

写真のように長年握り込んで押弦した跡、凹みが消えるまで削る必要はありません。

あくまでもフレット溝部がしっかりと修正できていればヨシ。むしろ70年かけて作られたこのナチュラルな凹みはルックス的にも残したい。


当工房ではフレット打ちを昔ながらの玄能でコンコンやります。

師匠が弟子入り間もなかった僕にフレットプレスを買ってくれましたが、結局アコギにはヒール周りなどに使えないので、今はエレキ担当のT君がフェンダー系にたまに使うくらいです。


フレット交換は各工房や職人により工程も仕上がりも本当に様々です。

 

一般的なメンテナンスの一つですが、経験と技量、根気とこだわりなど全てが現れるのがフレット交換なのです。


フレットのエッジは立てますがチクチクしないよう一本一本丁寧に丸めます。どこを見ても同じ丸みと形にできれば理想的です。


フレット交換後はナットとサドルを新調します。


オールドマーチンは底面が突板と同じ傾斜が付いていますので加工の難易度がアップします。近年は指板と同じ平らな底面になっています。


ナットやサドル、ブリッジなどのディティールは幾多のヴィンテージギターを見て、修理してきた皆川氏のこだわりが詰まっています。

100点をもらえた時はとても嬉しいですが、そうで無い時はやはり悔しいです。


マーチンのナット溝は外側から2.75mmくらいが理想的です。ギブソンは気持ち外側です。


元のナットよりはマーチンのナットっぽいですね。


最後はしばらく矯正していたピックガードを戻しましょう。


専用ジグで接着。


ヌルヌル滑りますのでタイトボンドでピッタリと元の位置につけるのは意外と難易度高いです。


ナットも指板もフレットも良い感じでは無いでしょうか。


ブリッジも余計なお化粧を落とし本来のすっぴんに。


1950年製のMartin D-28。

仕様においても音色にしても最近はやはり「D-28が至高」と言われてきたことに納得することが多いです。もちろん好みは人それぞれですが。


ピックガードもピカピカよりこっちの方がいいとなりあえてこの感じで。

 


 

先日NHKで福山雅治さんが所有する1940年製D-45をマーチン本社に修理依頼するという企画を軸として、マーチンの歴史や本家としての伝統を重んじる気概やこだわりを紹介する番組が放送されていました。修理方法や引退したマーチン職人の「計測は2度、切るのは一度」という言葉など印象的でとても興味深く、勉強になりました。

僕の師匠のさらにその師匠にあたる大先輩が何十年も前に本家マーチン社でその伝統的な修理方法を学び、日本に持ち込んだ、という話を皆川氏から聞いたことがあります。マーチンのスピリットが日本で世代を超えて受け継がれ、そしてちゃんとこの僕自身にも受け継がれていると思いました。自分ももっと経験を積み、学び、そして技術を磨き、それを次の世代に伝えることの大切さなど、勝手にその壮大な使命を感じました。

番組後半に福山雅治さんが「この貴重なギターを僕が所有することで、この音をレコーディングやライブを通して皆さんとも共有していきたい」的なことを言っていたのがとても好感が持てましたね!

ということで最後は少し話が外れてしまいましたが、今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

ボディ破損 / Morris W-25(最終回)


スタッフの山口です。

とうとう6週目になりました、Morris W-25。青春時代これ弾いてたなぁーと聞こえてきます。

 


完成間近にレフティーへの変更となり、ピックガードを早速製作です。アコギはこれを反転したものにしないとですね。

 


Morrisのピックガードは製作したことがないので本家マーチンのピックガードを目指します。ピックガードが変わるだけでも高級感が出ます。分かる人なら「お?ピックガードの雰囲気いいじゃん!」「XX年代のマーチンに寄せてるねー」などというマニアックな会話になるのです。


ナットもレフティー仕様に。普段と左右逆の作業になります。逆にやるだけ、なのにとても手間取ってしまいます。


一般的にはレフティーモデルは価格上乗せで高く売られていますので近年の多様性、ダイバーシティを目指す社会にはフィットしていないな、と思います。


弦間も形もしっかりとマーチンのように。

 


サドルの溝も一度埋木処理を施し、弦長を測定、補正して掘り直しました。


写真は載せていませんがフレットを擦り合わせたのでサドルは少し低めになりましたが、許容範囲です。


レフティーチェンジ完了!どうでしょうか、なんとなくギターから滲み出てくる高級感、、。ピックガードもいい感じです。

自分もオーナー様には及びませんが愛着が湧いてきました。


自分の中で「ブラックジャックギター」と命名。かっこいいです。


サイドは逆に傷を隠すため少し着色。

トップと同じく、潔くそのままにしたほうが良かったかな、と少し後悔。


内側もこんな感じです。

正直、想定より良い仕上がりで満足です。

Before
After

2年以上お預かりしましたが無事に修理完了です。見てくださいこの面構え。

レフティーの違和感を消すため画像反転。

どうでしょうか。この高級感?風格?

トップの色を黄色く着色し馴染ませたら逆に勿体無い、と考えた当工房のこだわりが伝わりますでしょうか。

壊れたら直せばいい、そしてそれは隠さなくてもいいのではないか。傷跡はそのギターの歴史であり、またそれがまた個性となっている。傷跡は「男の勲章」という価値観を体現したようなギターですね!

裸で持ち込まれたのでたまたま工房で遊んでいた高級感のあるハードケースに入れて納品完了!

オーナー様にもとても喜んでいただき、私たちも喜びと達成感で満たされることとなりました。このギターもオーナー様の心意気も当工房の気概も、全てプライスレス。お父様も喜んでおられると嬉しいですね!

1ヶ月半の長編修理ブログにお付き合いいただきありがとうございました。

今後とも皆川ギター工房をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

ピックガード交換 / Martin D-76


スタッフの山口です。

今日の修理はピックガード交換です。剥がれてきたり浮いてきたり様々なトラブルが起きるパーツの一つです。


反る力によって起きるトップ割れ、通称「マーチンクラック」という言葉が有名ですね。確かにピックガード交換修理は8〜9割がMartinな気がします。

今回は幸いピックガードの粘着力が弱くトップ割れは起きていません。剥がすのもすんなりです。


原材料高騰対策とSDGsの観点から、少しでも効率よく無駄の出ないように切り出します。ベッコウ柄などの場合は好みの部分を狙って切り出すのでこうはできません。


サイズを見ながら面取りし、いい大きさになったら水研ぎします。傷が消えるまでバフでも磨きます。


師匠のOKが出たら両面テープを貼り付けて形に合わせてカット。その後テープがはみ出ないようにサンドペーパーをうまく使って余分なテープを削いでいきます。実はここら辺の工程が一番緊張します。手が滑ってしまったら目も当てられません。切り出しから再出発になってしまいます。


貼り付けは一発勝負。あの手この手で位置を決める目印を。経験上、大体2〜3点を押さえておけば大丈夫。


塵や空気が入らないようにします。せっかくお金をかけてピックガードを新調したのに凸凹してたらガッカリしますよね。トップ側もできる限り平らに仕上げてから貼ります。


ここからは番外編。ヘッド磨きに移ります。長年の脂や埃、場合によってはヤニなどの汚れがヘッドには付着します。弦交換の時はたくさん触れるところですが、ボディと違いペグもあるので拭きにくいところですね。


なるべくラッカーの塗膜が薄くならないよう、変性しないよう、皆川氏厳選のワックスで磨きます。コンパウンドは入っていません。企業秘密ですが聞けば教えてくれるかもしれません(^ ^)


ほら、ピカピカです。


背面もゴシゴシしましょう。


ラッカー特有の輝きを放っていますね。


傷や打痕がないのでいい感じですね。


新品時のようです。このギターはまた特別綺麗ですね。


ピックガードも新しくなりまさにミンク品と言えるビンテージギターです。


 

アメリカ建国200周年記念モデルのD-76。1976年に1776本作られたそうです。インレイの星は建国時の13州を表しているとか。言わずもがな、ナイスギターです。

話は変わりますが、SDGsという言葉、楽器業界には耳の痛い言葉だと思います。ハカランダを始め世界中のローズウッド系樹種やマホガニー系樹種などの伐採による環境破壊や絶滅危惧種の増加に大きく関わってきたからです。少しずつ持続可能なカタチを目指す動きもありますが、まだまだが課題が多いのも事実です。どんな楽器も使い捨てにせず、メンテナンスやリペアをして長く使い続けることが一番簡単に貢献できる方法ではないかと思います。メーカーも今までの仕様、材料に拘らず新しい素材の開発をさらに進めて「古き良きものを大切に、また一方でこれからは新しい技術と素材でさらにいいものを目指す」これが楽器業界にとっての健全な姿になっていくのかな、と思います。

日本は林業の衰退から逆に杉や檜が生え過ぎちゃって花粉症が増えているくらいなので、その辺の樹種を最新の技術で楽器に向く材料にできたら一石二鳥なのになぁ、、と随分前から考えたりしてます。YAMAHAあたりはもう着手しているかも?国内楽器メーカーに期待したいですね。

全然話が変わってしまいましたが、、今回も最後までありがとうございました。

 

ピックガード貼り直し / Gibson J-45


一時期のGibsonのピックガードはフニャフニャしていた時期があって、ハミングバードのP/G等は偽物のような見た目でした。


その時期のものは何故かめくれてはがれやすくて、貼り直すとなるとやたらと面倒臭いのです。


先ずは両面テープで貼ってあるP/G全般ですが、P/G側、ボディ側双方の粘着テープの除去。

 

この粘着テープを除去する際に、ショップ店員さんや他の修理屋さん等は「親指がいたくなります。」や(粘着テープを浮かせるためにオイル使用)「オイルをボディの中にこぼしてしまいました!どうやって跡を消せばよいですか。」等々いろいろ伺いました。

これが大変で、魔法は無いので工夫しながらガンバルしか無いのです。

 

このふにゃふにゃP/G、柔らかいから貼り付いたら反発してめくれ無さそうに見えるのですが、強力両面テープでしっかり定着させなければまためくれて来ます。

そんでもって、フニャフニャだからいつもの当て木では杢目が付いてしまいます。

(それなりにツルっとしている当て木なのに)

なので、キズの無いアクリル板を使います。

 

これなら大丈夫かと言えば、しっかり圧着させたいのでクランプもそれなりにしっかり締めると強くクランプが掛かっていた跡が付いています。

なので、温めて跡が消えやすくなる様にしたりしますが、温まって剥がれやすくなってしまうのも嫌なので、いずれにしても跡が消えるまで時間が掛かります。

 


 


 

 

そしてこれは、将来的にどの位持つのだろうか。今も剥がれていないのだろうか。

心配なら作り直すしかないでしょう。

https://www.m-guitars.com/blog/3755/

メーカーは不良が出たら、「それじゃー、次からは素材を変えて作りましょ。」となるのだろうが、過去の不良も何とかならないですかね。

 

ピックガード作製交換 / D-35&HD-28


スタッフの山口です。

今回はピックガード交換(PG交換)。MartinのD-35とHD-28を並行して作ります。写真はHD-28の方ですがD-35も同じ状態です。

PG交換依頼は縮んだり反ってめくれてしまったりイメチェンなど理由は様々。今回の2本はマーチンクラックと言われるピックガード起因のトップ割れは幸いありませんでした。


トレーシングペーパーでピックガード跡を写したら素材に貼り付けて跡に合わせて正確な大きさにしていきます。ある程度まで型取ったらサンドペーパーで地道に削っていきます。


削り過ぎて小さくなったら取り返しがつきませんので少し削っては実際に当てて確認、地道に何度も確認します。

尖りの部分がロゼッタとピッタリ合うか、PG跡がはみ出てないかなど意外と神経を使います。小さく作ってしまいPG跡が顔を出すのはもちろんNGですが、だからと言ってオーバーサイズで作るのも当工房ではNG。PGはギターの顔の一部となる重要な部分ですのでたった1mmでもオーバーサイズだと大分印象が変わってしまいます。


大きさがピッタリ決まったら水研ぎして磨いていきます。「元々ピカピカなのになぜ磨くんだろう?」と思われるかもしれませんが(僕も初めて皆川氏に教えてもらった時は思いました)そのままだとまるで買ってきた黒い下敷を切って貼っただけのような感じでオリジナルとは程遠い印象になります。ビンテージギターの場合は尚更、その違和感を感じます。

 


バフがけしてはペーパーの傷をチェック、消えてなければまた極細の番手で水研ぎ、を何度か繰り返します。オリジナルっぽく作るとは言え、せっかく新品に交換しますので弾き傷とは明らかに違うサンドペーパーの傷はなるべく無くしたいところです。


無事に温かみのある艶で仕上がりました。

繰り返しますがPGはギターの顔の一部となる重要なパーツですのでこだわらないといけません。

こちらはHD-28。両面テープは空気の入らないように、跡とズレないように、と一発勝負の要素が強いため予めマーキングします。

こちらはD−35。同じく角を二点以上マーキング。


いい感じに貼り付け完了。こちらはD-35。


跡が出ずオーバーサイズでもなく、ロゼッタの径ともピッタリ。艶もいい感じだと思います。


離れて見ても違和感無し。


こちらはHD-28。同じドレッドノートでも個々でPGの大きさは違います。新品時は同じだったのかもしれませんが何十年もそれぞれ違う環境に置かれているからか、個々で全然大きさが違うのです。


無事にこちらもジャストサイズ。


自分も習う前は「切って貼るだけだろうな」と簡単に考えていましたが、やってみるととても神経と手間が必要な作業だと痛感した記憶があります。

しつこいですがPGはギターの顔となるパーツですのでなるべくハンサムにしてあげたい!と思いながら取り組んでいます。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

ピックガード貼り直し、リフレット/ Gibson J-50


 


 


 

ピックガードの貼り直しと、リフレットをします。

貼り直す面(P/Gの裏とボディトップ)は両方きれいにして、貼り直す両面テープは画像のような弱っちそうなテープでは無くもっと性能の良いテープを使用します。

画像では、P/Gが先ですが、リフレットする際にP/Gは無い方がやりやすいのでP/Gはそのあとに貼り直してます。

 


 


 


 

貼り直す際には両面テープを使用しますが、接着剤を使う時と同じように均等に圧着されるようクランプをして丸1日置きます。

60年代Gibsonは、太めのフレットが打たれています。

新しいフレットは高さがあり、エッヂも立てていますので元より細いフレットに交換されたようにも見えます。

 

ナットも新しいフレットに合わせて作り直します。

👍

 

ピックガード交換&ネックリセット Martin D-28 1983年製


スタッフの山口です。今回は自分のギター、1983年製のD-28の修理です。PG交換とネックリセット。ブリッジが浮いていた為、ブリッジ貼り直しも行いました。


ピックガードも剥がれかけていましたのできれいに剥がします。ネックリセットも並行して行います。


いつものようにダブテイルジョイントを温めて接着剤を軟化させます。


うにょっとネックが外れました♪やはりGibsonより短い時間で外れてくれます。


続いてピックガード作製。オリジナルは黒ですが余っていた素材がありましたので今回は鼈甲柄にチェンジしました。自分の好みでもあります。


それっぽいディティールで成形したら表面を水研ぎします。これをやることで下敷きっぽい質感がちゃんとピックガードっぽくなります。


ブリッジ貼り直しもピックガード交換も無事に完了。


ネック角度の修正によって指板の14フレット以降が下がらないように指板の底を足しました。指板材と同じエボニーですが足した部分は縞が入っていますね。


接着剤無しで何度もシュミレーションします。センターズレはないか、仕込み角度は適正か確認してからいざ接着。写真のように数日間クランプをかけて寝かせておきます。


せっかくリセットしましたのでもう少しサドルの出しろが欲しい気がしますが今回は自分のギターですのでまあこれでヨシ。


 


 

1983年はMartin社創業150周年。そして自分の生まれ年でもあります。生まれ年のニッパチが欲しくてしばらく探してたのですが、80年代は生産本数も少なく、特に1983年はメモリアルイヤーということもあってレギュラーライン(スタンダードシリーズ)の個体が中々市場に出てきませんでした。2年ほどかけてやっとネットオークションで見つけて手に入れることができて「これは一生ものだー!」、、と思っていたのですが、どうしてもしっくり来なくて実はこの後早々に売ってしまいました(^^;;

結局のところ製造年は関係なく、弾き易くて自分好みの音を奏でるギターが一番!だと教えてくれたギターでした。とは言いつつ生まれ年のMartinを見つけるとつい欲しくなってしまいます。次は生まれ年の「自分好みの」Martinを買いたいなと思います。

今回も読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

 

 

 

ピックガード交換 / Martin OOO-28

所謂マーチンクラックと言われる割れです。

これを平らに直して、ピックガードを交換します。

ピックガードを剥がす際は、逆目から剥がして木をむしっちゃわない様に順目方向から剥がします。

とは言っても剥がす部分は見えませんし、見えたとしても分かるもんでもないので、剥がしながら「ちがうな」と思ったら方向を変えます。

方向を変えて「よしよし。」となる場合と「あれ?どっちが正解だ?」となる場合もあります。

 


塗り込んでいるような雰囲気を出す為に水研ぎをします。

ピックガードの成型そのものより水研ぎの作業にとても時間が掛かります。


塗装面であれば、特にラッカーなら割と簡単に研ぐ事が出来るのですが、ピックガードそのものは中々細かいキズが取れてくれません。


そんなに面倒なら保護フィルムを剥がしただけでもきれいでしょ?と思いますが、それだと下敷きの様で安っぽくなってしまうのです。

 

 

 

逆にうんと拘って塗装もして、予算もかけて出来るだけ元の様に戻したいという場合もありますが、そこまで必要無いと思われる方が多いのでしょうか「塗装あり」でのリクエストはとても少ないです。

もしくは当方では、キズ直しやリフィニッシュは基本お断りと言う事で常々、「キズは気にしないで。」「リフィニッシュはやめてね。」等と修理依頼者にとっては、「なんだ?この修理屋!?」的な事を言いますので、見た目も(を)うんと拘る方にはうちは選ばれないのかも。