
アコースティックギターと聞いてこれを思い浮かべる人は少ないと思われるルックスですが、何となく大人っぽいルックスに惚れ惚れしてしまいます♪100歳の風格という感じでしょうか。
今回も最後までご覧いただきありがとうございまいた。
ネック折れ修理の場合は、2通り見積もりを出すのですが、ボディ修理は塗装修正無し仕上げが基本になります。
割れ修理の修理跡は残る旨は伝えまして、ご納得されればそれ以上の見積もりはありません。
酷く割れている場合で削ったり、足したりするような修理は塗装修正有りの見積もりを出します。
言い訳に終始していますが・・・。
普段製作をやる人ならバックごと交換しちゃえばきれいに難しく無く出来てしまうのだと思いますが、うちの場合は出来る限り部材は交換しないやり方ですので、割れてずれている部分を平らに戻さなければなりません。
力を入れて「パチンッ!」と戻ればラッキーなのですが、そうは簡単には戻りません。
亀裂部分の出っ張りが上下逆になってしまっていますから、力を入れて戻せる所までナイフでちょっとずつ削って調整します。
亀裂部分に隙間が出来てしまってはいけないので、ホントにちょっとずつ。
それも大変なのですが、このギターのようにサウンドホールから手が入るギターならまだましです。
小さいものは見た目が大したことない割れでも、修理自体はすんごい面倒な場合が多々あります。
力木剥がれの見積もりをする際等、ホコリが隙間に入り込んでしまわない様に、ホコリも一緒に接着してしまわない様に掃除が先です。
ちなみに結構なホコリに見えますが、この位のホコリなら全然大したことありませんよ、全然。
レフティーの違和感を消すため画像反転。
どうでしょうか。この高級感?風格?
トップの色を黄色く着色し馴染ませたら逆に勿体無い、と考えた当工房のこだわりが伝わりますでしょうか。
壊れたら直せばいい、そしてそれは隠さなくてもいいのではないか。傷跡はそのギターの歴史であり、またそれがまた個性となっている。傷跡は「男の勲章」という価値観を体現したようなギターですね!
スタッフの山口です。
今週で第五回となりました、Morris W-25のボディ破損修理。いよいよ納期も迫ってきた頃の様子です。
バインディングを新しくしたところはどうしても色が異なってしまうため、まずはバインディングを焼けたように色付けします。
粉だらけになるので人が少なくなった夜を見計らって、工房の外でひたすらゴシゴシ。昔のモーリスやヤマハの国産ギターは塗膜が薄いことが多々ありますが、剥がすときはポジティブ要素になります。ただ通常の修理の場合は塗膜が厚い方が助かります。
次回はとうとう塗装に移ります。そろそろ皆様の「またモーリスか、、」という声が聞こえてきそうですが、、
あと2週分は引っ張れると確信しておりますのでどうかお付き合いの程宜しくお願い申し上げます。
今回も最後までありがとうございました。
オーナー様より初めにお問い合わせをいただき「これは時間も費用もかかる修理です。何より修理代でこのモデルの元となっている本物のMartin D-28が新品で購入できる額です。それでも修理しますか?」との問いに「父から譲り受けた大切なギターですので構いません。修理をお願いします」とのこと。
そうとなれば腕まくりをしなければなりません。人から見れば安価なギターであっても、お客さまにとってプライスレスなものなのであれば当工房としてもプライスレスな仕事を。
2年という長い修理期間に気が変わってしまうかもしれないノリのお客様だったら断っていたかもしれません。楽器の原価を大幅に超える修理はお客様との信頼関係がないと難しいです。経営上、納品ができなければ大損害となるから。今回のお客様は小まめに連絡もつきましたし、何よりこのギターに対する並々ならぬ愛着が感じられましたのでお受け致しました。
こうして2年間の長い旅が始まりました。写真データも膨大で工程も多いので、何回かに分けてアップしていきたいと思います。今日はこの辺で。ありがとうございました。
プラスティックブリッジは60年代前半しか作られていませんので貴重といえば貴重ですが、何かしらの問題が多いためにGibson社も復活させないのではないかと思います。
なので割れたり変形していて演奏に問題がある場合は今回のような修理にならざるを得ません。もし今現在綺麗な状態もしくは演奏上問題ないのであれば保管状態に気をつけて、すなわち演奏していないときは弦を緩めてあげる事をお勧めします。しつこいようですが・・・( ´ ▽ ` )ノ
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。