ハードケースに入っていても倒れた際には、中で折れている事はよくあります。
いずれにしても、倒れない様に気を付けて下さい。
そして弦は、しっかり緩めてね。
ハードケースに入っていても倒れた際には、中で折れている事はよくあります。
いずれにしても、倒れない様に気を付けて下さい。
そして弦は、しっかり緩めてね。
フレットの交換時期についても多い質問の一つです。
フレット交換するか否かについても、修理した方が良いか否か、聞かれた時と答えは同じです。
オーナーが決めればよいのです。
「このフレットまだ交換しないの?」→と言われたって音もビリつかないし、弾き難くもないし不都合が無いのですから。
「もう交換しちゃうの!」→と言われても交換したいのですから。
「修理した方が良いのかな?」と考えた時は、弾いていて不都合が無ければ無理にお金を掛けなくても良いと思います。
ネックの角度が狂ってたって、その人が弾く分に問題が無ければ修理する必要は無いのですから。
それでもと言う方は「ネックの状態がこうで、力木がこうなってて…」等々、修理屋が教えてくれますから、把握したうえでオーナーが決めればよいと思っています。
フレットのエッヂは斜めにし過ぎない様に仕上げます。
好みの差ではありますが、斜めに削り落してしてあると手抜きに見えて好きではないのと、ナットの溝の位置を余計に(特に1弦の位置を)内側に入れなくてはならなくなるのが好きでないんです。
Fenderのナットは作り慣れていないので思いの外、慎重になったりします。
昔若い頃、「あれ、何でちゃんとできないんだー…」とハマった事があります。
エレキの修理が慣れている人にはなんて事ないかもしれませんが、振動がヘッド側に逃げない様に、かと言って溝がきつ過ぎてはダメ。
どのナットも注意点は同じですが、これの場合ヘッドに角度が無い分ダメさが出やすいのです。(3弦にガイドが無いとホントやです)
ご常連さんが入手したマーチンのロゴ(デカール)の1833の1が欠けて無くなってしまっているのが、どうしても気になって仕方がない、らしいです。
皆川ギター工房が始まって以来、一貫して言ってきましたのは、演奏性や強度等に関わらないキズ直しは(リフィニッシュも)基本的にお断りしております。と。
キズ付けた直後はショックですが、直しても使ってればまた必ず付きます。
傷もその楽器の歴史の一部ですから、その傷も愛でて頂ければ幸いです。と。
但し、借り物をやっちまった…や、どーしても…と言った場合にはお預かりする事はあります。
Martin(オールドタイプ)のデカールはまだあるし、今回はお断わりする理由が無いのでお預かりいたしました。
昔、修理に必要な事がありまして、業者さんからは「修理で使うのであれば作りますが…贋作用であれば作りません。」と釘を刺されて作って頂きました。
今でも時折お世話になりますが、贋作用は作らないと言うだけありまして、原寸を何十倍に拡大して細部まで再現するとおっしゃっていました。
技術も倫理的にも信頼出来ます。
とにかく使えるようにする、プランです。
出来るだけきれいに、塗装も修正するプランになった場合は、このケースは全部剥がして塗り直しになりますが、いずれにしても明るいシースルーですので割れの跡は、ある程度残ると思います。
もう一つの修理は、ストラップピン部分。
根元からえぐれてしまっています。
力が掛からない部分であれば、見た目だけ修正出来れば良いですが、ストラップを掛けても大丈夫にします。
ストラップピンを打てるように円柱に掘って、木を埋めます。
下穴を空けずに、もしくは下穴が小さ過ぎて木を割ってしまった方もいると思います。
必ず、使うビスのサイズに見合った、下穴を空けましょう。
アコギのトップ等ナチュラルカラーの割れは、目立たなくなればラッキーと言う感じなので、割れの跡は残る事は前提として下さい。
割れの跡が見えてしまうのが好まない場合は、色を濃く塗ってしまう事も時折ありますが、仕上げはオーナーの好みがわかれるところではあります。
いつも皆川ギター工房のブログをご覧いただきありがとうございます。スタッフの山口です。
今日はブリッジの作製をまとめて3個見ていきたいと思います。既製品のブリッジも売られていますがそのギターの型や年代、仕様に沿ってなるべくオリジナルに忠実に一から作っていきます。
ブリッジを貼り直す際の注意点としては、先ずは上記の接着面の調整。
その前に剥がす際には、すごく気を付けて剥がす事。
逆目に向かってヘラを入れてしまうとブリッジを剥がさずブリッジの面積を超えてトップの木を剥がしてしまいかねません。
貼る位置は基本的には同じ場所へ貼り直しますが、ズレた位置で長期間落ち着いていた物はその位置が元の位置と勘違いしてしまう場合があるので注意します。
もっと正しい位置を決めるにはピッチを図り直し、サドルの位置を合せてセンターも修正する事が出来れば、位置としては正しいですが、接着面の跡が出てしまい見た目が悪くなりますので、やはり基本は元の位置。
貼り直した後、微妙にずれても見た目や、他に不具合や問題が無ければ良いのですが、アジャスタブルブリッジ(Gibson)の場合は、微妙なズレも問題になりますので、やはりいずれにしても元の位置にビタッと決める事が求められます。
当方のネック折れ修理はタイトボンドは使わず、補強無しで強度が十分な接着剤を使用します。
「塗装修正無し」のプランならコストを抑えて修理出来ます。
但し塗装の剥げ具合は区々になります。
ご了承下さい。
過去の修理例が修理実績内にありますので、雰囲気だけでもご参考になれば幸いです。
ネック折れ以外にも色々と例がありますので、ご覧いただければ幸いです。
ブログ用の過去資料がまだ引越し前の物も残っていて、なるべく古い順からアップしているのですが、最近では、すり合わせや指板修正にこんなものを使っています。
これは、Neck Jig と言う物で、私の目的ではアジャストロッドの無いギターの作業に欲しかったものなのですが、引越し前では置く場所も無く、道具としては割と高価な物でなかなか買いそびれていた物。
ネックジグを自作している人もちらほらいらっしゃいますが、この精度と強度の物を自作するのは私には無理。
これ、一旦使いだすと、とても良いです。
勿論アジャストロッドの物にも、色々考えずに精度が出ます。
Neck Jig に関しては、またそのうちに折に付け触れるかと思います。
早いもので、年が明けて1週間が過ぎてしまいました。
本年もよろしくお願いいたします。
令和3年最初は、修理屋の仕事の定番、リフレットです。
とても良く聞かれる質問の一つがフレットの交換時期について。
修理屋にもよるかと思いますが、当方の答えは、「オーナー次第。」
フレットがvの字に削れてしまっていても不具合を感じなければ無理に交換しなくても良いと思いますし、弾き難さや音質の劣化等フレットが原因であれば、交換時期なのだろうと思います。
指板とフレットはサイドが下がっていると気持ちが悪いので、アールが付いている指板だからと言っても削り過ぎてはいけません。
このギターも過去に色々な調整や修理を繰り返したのだろうと思いますが、削ってしまえば元には戻らないので、極力削らない様にうまい事やらなければなりません。
と、このように自分を戒める為のブログでもあります。
わたしなどは、抜けている所が多いものですから、出来る限りポカしない様にと、今年も同じようなブログが続きます。
本年も引き続きお付き合い頂ければ、幸いに存じます。
今年最後のブログは、ちょっと珍しいギター。
B.Cリッチのアコギで、昔B.Cリッチの社長が手作りした数本中の一本らしいです。
バインディングが大きく剥がれちゃって、ネックの角度が狂って、力木が沢山剥がれてる。
ブリッジの溝が浅い為、サドルが立つように修正、ブリッジプレートは穴が削れて広がっているので修正。
ネックの角度を直さなければならないのですが、アコギだからと言って必ずダブテールジョイントとは限らず、どの様なジョイントがなされているか確認しなければなりません。
このギターのネックジョイントはクラシックギターと同じ工法ですので、マーチンやギブソンのネックと同じように取ろうとしても絶対に取れないのです。
金メッキのパーツは、コンパウンド等で磨いてしまうと、メッキが剥げてしまいます。
スチールウールで磨くときれいになります。
当方では、番手の細かいやつで磨いています。
クラシックギターのネック角度を直す時と同じように、指板はハイポジション側に向かって厚くなる様に厚みを付けて角度に辻褄を合わせます。
指板面を調整して、フレット、ナットも交換します。
大分長い事、お預かりしましたが無事お返し出来ました。
見た目の期待通りの音がします。
本年もこのブログをいつも見て頂いている方、ご常連、今年出会えた方々、大変お世話になりました。
来年もご愛顧のほど頂けましたら、幸いに存じます。
まだまだ大変な状況が続きますが、皆様にとって良い年になります様、願っております。
過去のブログでこれに触れた記憶があるのですが、それにについて、アメブロに裏話的な事を書きましたので、よろしければご覧ください。
では!
もうすぐ来年だねー。