まだまだ、蒸気を使ってのネック外し時代の修理例が続きます。
昨年の後半より、ネック外しは蒸気は使わず、半田ごての熱を利用して外しています。
蒸気を使わない利点は、過去の記事でご確認いただければ幸いです。
私がギターの修理を始める随分前から様々な修理方法が一般化していて、更にそれぞれの修理屋が工夫を凝らして修理をしていますが、この蟻組して接着したネックジョイントを外すのに「蒸気を使おう!」という発想は今思えば大したもんです。
ネックジョイントに限らず、こういったものを外す場合に蒸気を使う事は他の分野ではすでにあったのでしょうか。
現在では技術も道具もお金を出して入手できる時代ですが、私のひと世代前の先輩方の時代は、ほとんどが手作りではないかという位、購入した専門の道具はあまり持っていませんでした。
現在では、世界中の修理屋や製作家のアイディア工具が商品化される(中には使い辛いものもありますが)いい時代ですが、どの仕事に限らず、ただ良い道具を持っているだけで、考えたり観察や工夫の足りない人の仕事は、魅力に欠けたり間違っている事にも気付かないような気がします。
私もそうならぬよう、試行錯誤の時代に生きた先輩達の教えは大切にしようと改めて思う、今日この頃であります。
(指板の破片がトップに残っちゃってますが、後で剥がして指板に戻します。)