同じ様な修理は重なるもので、この少し前に FALSETTOS の大黒さんのThunderbirdのネック折れを大急ぎでやったのを思い出しました。
ステージやリハーサルで倒して・・・と言うケースが多いので、皆さんお気をつけください。
同じ様な修理は重なるもので、この少し前に FALSETTOS の大黒さんのThunderbirdのネック折れを大急ぎでやったのを思い出しました。
ステージやリハーサルで倒して・・・と言うケースが多いので、皆さんお気をつけください。
D-45のリフレット(フレット交換)です。
指板を修正して、新しいフレットを打ちます。
このギターの場合、過去のオーナーの好みか、職人の癖か、指板のアールがマーチンにしては付き過ぎていますので、アールを少し戻します。
アールは削られて変更されていますので、戻す方向にしてもまた削らなければなりません。段階で言えば2段階位戻ればマーチンらしくはなりますが、あまり削らず雰囲気をマーチンらしく修正します。
指板のアールとサドルのアールは基本的には同じアールでそろえます。
下の画像は、指板修正して、フレットも交換済みの状態です。
サドルのアールはまだ元の指板のアールのままですので、サドルを修正します。
Ovation 1985-1 のリフレットです。
久しぶりに出してみたら、音も出ず、弾けなくなっていたという事で、ネックリセット他オーバーホール中のリフレットです。
フレットを抜く際に指板が欠けてしまわないように、半田ごてでフレットを暖めながら抜いていきます。
このオベイションのエリートと言うモデルは、アダマスと似ていますが前にアップしました方法とは違い、ネックはついた状態で、私なりの方法で打ちます。
構造上トップ部分(ハイポジション、指板エンド部)のフレットは強めの力で、打ったり、押したりしない方がよいので、長年でたどり着いた方法で打ち込みます。見せないけど。
フレットの溝を多少広くしてやれば、フレットを打ち込んだり、押し込んだりしなくてもフレットは”着けられる”のですが、フレットはしっかりと溝に食い付かせたいので、”私なりの方法”で打ち込みます。みせませんが。
指板のアールの確認。
大体同じになってますので、このアールを崩さず指板(フィンガーボード)を調整をします。
調整する際の注意は、端が下がってしまわない様に、フレットを削る時も同じ注意が必要です。
指板もフレットも端が下がるとカッコが悪いです。
(この画像の指板は悪くはないですが、多少下がっています。)
端が下がってカッコ悪くなる事と、もうひとつの形がフレットのエッジの形。
左は新しく打ち直した方、右は抜き取った古い方。
左はエッジが立っていますが、右はエッジが斜めに奥まで削られています。
エッジの処理は斜めに削ってしまったほうが処理(整形)に時間が掛からなくて作業的には楽で良いのです。
ですがこの分、弦が内側に乗るようにナットを作ります。
別にこの辺は好みであったり、気にしない方も多いのでかまわないのですが、個人的には弾き難く、何よりもヒジョーにカッチョ悪く見えてしまいます。
私も大昔から大好きな方の春からのツアーで使用予定のギターです。
その人を感じられるほど、弾き込まれたギターではありませんでしたが、このギターで歌っている姿を想像いたします。
このように、弦が多少でも張られた状態で放置されますと状態が悪くなります、お気をつけください。
茶色いギターでも事は同じなのですが、白の場合は頑張っても色が合わず時間のムダになる気がします。
大昔にやった時に、全く色が合わず馴染まなかったので、普段どおりの塗装は出来ないと端から思い込んでいます。
着色の段階でも、クリアーの段階でも、他の色であれば全く気が付かないような極細かい糸くずともいえないような埃でも目立ちます。
「今日はホワイトファルコンを吹く(塗装のスプレー)日だ。」と思うと朝起きた瞬間から憂鬱になります。
これは何をやっているのかと言いますと、ギターを台にかけてネックの折れた所をクランプをかけて広げたかったが、折れてしまったところです。
じゃ何故、クランプをかけるかと言いますと、直接手を使って広げようとすると、過度に力が加わりすぎて折れてしまうからです。
がしかし、クランプをかけて広がる前に折れてしまいました。
特にネック折れ修理は、修理者の考えが反映する仕事です。
大昔に読んだ本に、折れたギターのネックを科学的な接着剤(なんと書いてあったか覚えていませんが・・・)で接着してしまうのは、”かわいそう”、”ギターの呼吸を止めてしまう”と書いてあったのを覚えています。
これはこれで、正しいのだと思います。
当方の修理と”かわいそうじゃない修理”の音を比べて聞き分ける人は、そういないと思いますし、そんな機会もありませんので、どちらが好きかと言う事に尽きると思います。
※理屈から言えば、修理前後の質量の差が少ない、当方の修理が音の変化は少ない。
※少々のトップの膨らみや歪みを気にする人も多いですが、トップはサウンドボードと呼ばれるパーツで音に直接影響しますので、必要のない作業は極力やめましょう。
ブリッジとプレートを外したら、力木の剥がれや割れのある部分を接着しながら、当方の方法を用いてトップの歪みを修正します。
同時にブリッジの歪みも修正しておきます。
このように、弦を張りっぱなしで置いておいたギターは、ネックに支障が出ない場合は他の部分に支障が出ます。