キズはその時は気になりますが、そのうち気にならなくなりますし、直してもまたキズはつきます。
キズもその楽器の歴史一部になり、味わいのある雰囲気をかもし出して、使い込んできた迫力も伝わってきます。
塗装も古くなるにつれ、擦れて、くすみ、色も焼けて変わって来ます。
リフィニッシュしてしまっては、もったいないです。
何より、そこまで使ってきたのに、大概音は悪い方向に変わってしまいますからね。
キズはその時は気になりますが、そのうち気にならなくなりますし、直してもまたキズはつきます。
キズもその楽器の歴史一部になり、味わいのある雰囲気をかもし出して、使い込んできた迫力も伝わってきます。
塗装も古くなるにつれ、擦れて、くすみ、色も焼けて変わって来ます。
リフィニッシュしてしまっては、もったいないです。
何より、そこまで使ってきたのに、大概音は悪い方向に変わってしまいますからね。
アジャストロッドのナット部が折れてしまっています。
コストの掛からない方法としては、折れた奥の部分の木を掘って露出させたロッドにまたナットをはめる方法がありますが、締め切って折れたロッドにナットを付けてもあまり意味がないので当方ではその方法は採用していません。
本年最後の更新は、やはりネック折れでした。
ポッキっと折れています、まるでお菓子のよう。
こんな折れ方をしてしまうのは、材料が多少弱いこともありますが、(前回のモーリスもそうですが、よい折れ方しないです。)もうひとつはこのギターのアジャストロッドのナットの位置と大きな空洞。
アダマスのリフレット(フレット交換)です。
フレットを抜いたら、指板を調整しますが、その際は指板エンドが弱い為、動きますのでその点と、ネックの角度に気をつけます。
指板修正の際、ふわふわ動く場合は動かないように、角度が悪ければ正しく削れる様に予め、ある程度角度を直します。
80年代後期から中尾貿易で10年以上、Ovation に関わらせて頂きました、こちらは91年モデルなのですが、当時私が記した保証書が入っていたのはビックリです。
ネックの角度が狂ってしまうと、一旦外して修理しなければならなくなります(アイロン等での対処方法もありますが、お奨めはしておりません)ので使い終わったら、特にアコースティックの弦楽器は弦を緩めて管理しましょう。
個人製作家や大手メーカー等でも自分とこのギターは弦を緩めてはいけない。というような理屈を持っている方々もありますが、個人的には、薄い木の箱ボディのギターの弦を張りっぱなしにしたら、ろくな事がないと思っています。
一見ネック反りに見える角度の狂いは、アジャストロッドでは全く調整出来ませんし、ネック反りに関してもアジャストロッドは魔法の装置ではありませんので、何度でも使える物では無く、いずれ(程度によってはすぐ)限界が来ます。
弦を張りますと、ネックとトップだけでなくブリッジにも同じ様に負担が掛かります、ネックに不具合が出なければ、ブリッジが剥がれたり、ブリッジが剥がれなければ、トップが歪んだり、ネックに不具合が生じます。
今までも、何度か触れてきた「弦は、緩める、緩めない問題」ですが、今後も機会があれば書いていこうと思います。
直球で申し訳ないのですが、”安いギター”(←オーナーさんごめんね。)の修理もよく依頼があります。
ネック折れ修理は他店より安いようなので、割と頻繁にお受けしますが、大体同等の新しいギターが買える位の修理費ですから、一旦考えて見て頂きます。
ですが思い入れがあったり、可能な限り修理して使い倒す、という方の気持ち私も良ーく分かります。
なるべくきれいに仕上げる場合は、「塗装修正あり」ですが、こちらのように気にしない、安く上げたい方は「塗装修正無し」、で仕上げます。
仕上げる際に塗装が剥げます、と伝えてありましたが、「すごくきれいです。」と言って頂いて、女性のオーナーでしたのでちょっとこれは嫌かなと心配しましたが、良かったです。
私も個人的には、この感じもカッコよいと思っています。なんでしょうか、思いを隠してないと言うか、出しちゃってると言いますか、そういう迫力が伝わります。
こちらは、70年代の Martin D‐41 のネックリセットです。
弦は緩めたつもりでも、ある程度の張力が掛かった状態であれば放置された時間が長い場合、チューニング時同様、ボディが歪み、ネック角度が狂います。
サドルでの調整が出来なくなれば、ネックを一旦抜いて、リセットするしかありません。
ヒールを削り、角度を修正しますが、実際のネックのジョイントに関しての強度にはヒールその物部分は重要ではありませんが、(強度で重要なのは内部のダブテールジョイント部の精度)接地面の密着具合はきれいに仕上げたいところです。
サドルに関しては、頻繁に触れていますが、出すぎず、低過ぎずにならないようにネック角度を修正まします。
その際、ネックとボディのセンターがずれないように修正していく事が重要です。
指板、フレットの状態いずれかが悪い場合は、リフレット(指板修正、フレット交換、他)になります。
基本的には、標準的な理想の弦高 1弦・・・12F・・・1.8mm位 6弦・・・12F・・・2.4mm位 に調整します。