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ネックリセット / Gibson J-200 (extension付き)

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オールドのJ-200 エクステンションの付いた大変珍しいギター。

いつものように、ネックの角度狂いの修理ですが、合わせてこのセンターのずれっぷりが凄いです。

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そしていつものように、15フレットを抜いて、穴を開けて蒸気を入れて、ネックを外しに掛かったのですが、一向に外れるどころか、動く気配も無いので、14フレットから指板を切り取りました。

これでは抜ける訳ないのです、塞がっちゃっていますから。

指板を貼る前のネックを仕込んでから、トップを貼ったのですね。

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多少大き目に切り取りました。

出てきました。

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改めて蒸気を入れて、ネックを抜きます。

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溝をきれいに整えます。

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ネック側のほぞもきれいに整えます。

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指板を付け戻して、エクステンションは作り直します。

アーチトップのギターのように指板の下についている黒い厚みの部分がエクステンション。

 

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やっとここから角度とセンターの修正が始められます。

エクステンションがある事と、ボディが大分歪んでいる事などから、なんの精神修行かと思う位調整が難しくなります。

 

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こっちを調整すれば、あっちがずれて、あっちが合えばそっちが合わず。

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何度もネックを仕込む段階までたどり着いては、「あれ?」となります。「んー、どうしようかな~」

となってやり直し。

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ヒールキャップの位置がちょっとヤダとか。

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弦高が予定より気持ち変わったとか。

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センターが予定より気持ち変わったとか。

 

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付けると言う直前に気に入らなくなります。

いつもやっている事と同じと言えば同じなのですが・・・

 

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ギブソンの場合、ネックを抜く際、蒸気を使う時間が長くなる事も多く、塗装が焼けてしまいます。

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今回はいつもと感触が違うことに気が付き、塗装が焼けずに塗装修正をせずに済んだのは幸運でした。

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長くやっていても、まだまだ知らない事が沢山あります。

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今回も大変勉強になりました。

こちらの修理は、同業者からの預かりで、リフレットは途中までの為、ピカッと光っていません。

 

フレット交換(リフレット) / Gibson J-200 lefty

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画像を裏返したような感じですが、レフティです。

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右利きでしたらこちら側が見ている側ですが、レフティですので、→

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こちらが見える側になります。

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いつものようにナットも作り直しますが、左用は作っていてなんとなく妙な感覚になります。

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どの修理でも、最終的にバランスを調整しますが、いくら修理が良くても、ナット、サドルの調整がちゃんと出来ていなければ全部台無しになります。

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こちらも当初、何故このバランス?と言うような調整でしたが、左利きのリペアマンが携わる確立は相当低いでしょうし、確かに右利きなら経験の浅い人では難しいかもしれません。

 

リフレット(フレット交換)/ Vanzandt Tel

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エレキギターのリフレットです。

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ヴァンザントという、ブランドのテレキャスターです。

太目のフレットに交換。

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Fenderのギターのように指板のアールがきつくないので、すり合わせがそれほど考えずに済みます。

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フィーリングが良くなったと、おっしゃっていただきましたので、フレット交換正解と言う事でいいと思います。

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なんにつけ印象は十人十色ですので、パーツ交換はやって見ないとわかりません。

どちらに転んでも、経験として次に生かしましょう。

 

ネック折れ修理 / Epiphone

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ソフトケースに入れていて、出した時には折れていたと言うことですが、ハードケースに入れていても、同じ事は起きます。

ソフトケースの場合、アクシデントがあった際はある程度のダメージは避けられないかもしれませんが、ハードケースの場合は、入っている状態や入れ方によって左右します。

まず一番良いのは、ケースに入れて前後左右に振ってみて、中でギターが動かずフィットしている事、ネック全体もしくはナット下付近がしっかり枕に乗って、ヘッドの先がどこにも当たっていない事。

緩くて中で動いてしまう場合は、新聞紙等で隙間をつめてやります。

普段はあまり神経質になるのも大変ですが、宅配便等を使って移動させる場合は、是非参考にしてみてください。

参考

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塗装修正無しで完了

塗装修正無しでも、強度に差はありません。

 

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塗装無しなので整形の際に塗装が剥がれてしまっても、そのまま仕上げますが、塗膜が厚めであれば剥げずに磨けます。

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筋は残りましたが、筆などで色はあえてつけません、かえって後から着色した部分が浮いてみっともなくなります。

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普段使い込んでいるギターの場合、塗装修正無しで修理される事が多いです。

 

ネックリセット+リフレット/ Gibson Hummingbirdh

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ヒールエンド部が斜めで真っ直ぐ押し出せませんので、ジグを当てて押し出します。

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リセット後、見た目の雰囲気が悪くなければ、塗装修正はしません。

外した際、塗装はほとんど痛みませんでしたが、ヒールを割りと多く削りましたので、以前のヒールのラインと、削った後のラインのズレが多めに出来てしまいました。

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ガン吹きせずに、筆で着色だけにしようか、迷いましたが、結局スプレーガンで塗装修正をしました。

 

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ネックリセット後、ネック(指板)もしくはフレットの状態が悪くなければ、リフレット(指板修正)をしませんが、時期にリフレットをお考えであれば、一緒にやってしまえば割安に出来ます。

 

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ナットも新しく作り直します。

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こちらのギターは、ネックを外す前から音が良いのは分かっていましたので、修理完了が楽しみでした。

1970年代ギブソンですが、古くても弾き込めばまだまだ良くなります。

 

ブリッジはがれ / 高くないギター

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割と低コストで作られたギターの場合、このようにアロンアルファ的な接着剤で、クルクルと塗って貼り付けてあるものが多いです。

ですので、隙間が出来初めてから、剥がれる時は一気にはがれてしまう場合があります。

2ブリッジアロン

アロンアルファ的な接着剤でも、全面にしっかり塗ってあればよいと思うのですが、ただその場合修理になった時は、面倒になる事が予想されますし、はみ出したこの接着剤は拭き取れないので、現実的にこの塗り方になるのだと思います。

 

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こちらのギターも決して悪いギターではなく、良いギターですが、低コストであるか否かはメーカーによりまちまちです、メーカーによっては~10万円位まで、メーカーによっては~15万円前後位まで、の印象です。

 

 
逆に低コストであってもしっかり貼ってあるブリッジもありますので、そこはメーカーによります、全てがこれと言うわけではありません。悪しからず、ご了承ください。
接着剤が何を使われているかは、剥がさないと分かりませんが、こちらの場合は単純に接着剤が弱って剥がれるケースが多いので、隙間が出来たら、急に剥がれてビックリしないように早目の修理が良いかもしれません。

 

ピックアップ取り付け / L.R Baggs Lyric

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こちらは、L.R Baggs Lyric と言うボディの中に貼り付けるタイプのP.Uです。

Anthem のアンダーサドル(Element)ではない方のP.Uで、i Beam から代わったP.Uです。

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取り付ける位置は、i Beamと同じ位置。

アンダーサドルタイプと音を比較するとすれば、こちらはマイルドな感じです。

両方ミックスできるのが、Anthem

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コントロールの位置も他のタイプと同じ位置。

 

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ジャックはキャップの面位置まで出したいのですが、エンドブロックが厚い場合は、出来るだけ出せる位置で、無理に出そうとすると中で完全にロックがされず緩み易くなります。

40年代Gibsonのようにブロックが厚すぎる場合は、ブロックを加工して取り付けます。

 

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ピックアップ選びは本当に難しくて、安いものではないので、気に入らなくてもすぐに次という訳にも行きずらく、お勧めされても印象や使い勝手はそれぞれ違いますので、自分のギターに付けてみないと分からないと言う所が皆さん共通ではないでしょうか。

バーフレット交換 / Martin 2-17

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これは何かと言いますと、バーフレットと言います。

現在のラウンドフレット(T型)とは形状が違いバーと言うより板状です。

バーフレットに拘りの方もおりますが、バーフレットは弾き難いことや、入手が難しいこともあり、バーフレットから現在のラウンドフレット(T型)に交換する事が多いです。

 

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バーフレットとラウンドフレットの比較です。

 

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ローズの板で一度埋めてから、溝を切り直します。

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板を2枚使うと中心が分かり易いです。

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通常良く見る指板サイドになりました。

 

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昔のものは昔の形で使いたくもありますが、使う道具としてならば変化も必要ではないかと思います。

 

ピックアップ取り付け / Ukulele

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L.R Baggs Five-o 

ウクレレ用のピックアップです。

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Vo.はギターと同じ、付ける位置はウクレレにもよりますが、ギターより限られます。

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バッテリーはボタン電池なので軽くてよいです。

ギターの場合は9vの四角い電池。

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指しかサウンドホールに入りませんので、作業がなかなか大変です。

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Five-oは、インブリッジのタイプ、当初ボディ内の貼り付けるタイプを探していましたが、ご要望に値するP.Uが無くこちらの選択となりました。

どの場面でも使い易く、音もよく無難ではないでしょうか。

L.R Baggs Five-o

ネックリセット / Gibson J-45

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Gibson J-45のネックリセットをいたします。

Gibsonの場合、Martinと比べると、ネック外しはとても大変です。

ヒールが太いと言う理由だけではなく、木工の精度もGibsonの方が優れていると言う証です。

その為外す際、ヒールやヒール周りの塗装が痛みますので塗装修正も込みで修理は考えます。

うまくいけば、Martinのように塗装修正無しでもいける事もあります。

 

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塗膜が厚い場合は塗装が欠けやすい事や角度を直す際、ヒールを削りますので、山の裾部分が多少細くなり、やはり塗装が必要になることが多いです。

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ヒールを削って細くなると、以前の塗装が乗っていない接着部分が多目に出てしまった場合に塗装が必要になります。

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エレキ等では、修理暦の無いオールドギターもありますが、アコギの場合は、何かしら修理暦はあります。

エレキの場合ほぼネジ止めで出来ているのに対して、アコースティックの場合は、ほぼ接着で出来ている事の差だと思います。

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いずれにせよ、楽器は修理しながら使っていく事によって良い楽器になって行く事は間違いないです。