お客様主導主義
皆川のこだわりと言うか理念のような事を言うとすれば、当たり前のことですけど
「お客様主導主義」と言う事です。
「こうすると良いですよ」と提案はしますが、「今回はいくら以上修理代は出せない」とか
「メインギターだから早く直して欲しい」とか、お客様には色々なご都合がありますから、
見た目だけが良くなって強度が保てないような事が無い限り、「こう修理しないとダメです!」
などとは言いません。
あくまでも「お客様主導主義」が基本なので、お客様の声でご指示、ご説明下されば幸いです。
(文章では分かりにくい事が有りますから・・・だからメールでのお問い合わせにもお電話でご連絡させていただく場合もあります。)
ギターのパーツの名称は知らなくてもOKです。
ケースにこだわってますね
僕のようによっぽど粗悪なケースじゃなければOK!と言う人も多いと思いますが、丈夫でギターにフィットしているケースなら言う事ありません。
しかし、その一方でオールドギターマニアの中には「ケースもオリジナルじゃなきゃイヤ!」と言う人もいます。
オリジナルケースばかりではありませんが、ギターのヘッドがケースの底についてしまっている場合があるので注意して下さい。
その様な場合にはネックに枕をつけると良いでしょう。
難しく考えなくても良いんですよ。新聞紙を丸めて当てるだけでもOKです。
ヘッドが何処にも当たらず、ギターがケースの中でバタバタ動かなければ良いでしょう。
勿論、ケースのフタを閉めたときに、フタが直接ギターに当たるほど枕を高くしないで下さいね。
この手のケースはたいがいペラペラなので、フタ側にもクッションをかませた方が良いかもしれません。
これだけで最悪の事態にはならずに済むかも。
あとはしまう時には弦は緩めてね!
修理は不要です。
時折、お客様から 「修理箇所の他にどこか悪いところありますか?」と質問を受ける時があります。
その場合必ず私の方から逆に質問をお返しします。「最近、弾きにくくなったり、普段気になる事等、ありますか?」と。
その場合ほとんどのお客様は「いや、無いんですが、修理のついでに。」とおっしゃいます。
その場合、無ければ、大丈夫です。
逆に修理しないって方のギターで、〝これ、よく弾いてるなァ・・・〟なんて思う事もありますので、修理はお客様が決めれば良いのです。
勿論、素人の方が分からない力木の剥がれや、ネックの状態等、不具合があれば、修理料金、やらない場合どうなのか、も含めてお伝えします。
皆川ギター工房のスタンスとしては、「もったいない修理はしない。」
特にネックに関しては、なかなか完璧は無いですから。
うちのお客様のお話で以前、他の修理屋さんで 「ここも、ここも、・・・修理が必要です。」 と言うことで全部やってもらった。と聞きました。
ここではある意味 「完璧な修理」 しか出来ないのでしょうけど、これはこれで、有りだと思います。
しかし、私が目指す、完璧な修理は、そこではないので、お客様が何も言わずに、「完璧な修理」をお望みならば、うちはその方には合わないかもしれません。
「近くに修理屋がお前ントコしか無い。」 との事でしたら、この場合 「全部修理したい。」 とお伝え下さい。
「何人かの持論と不思議と結論?」
私が若い頃お世話になった、クロサワ楽器の山口さん(クラシックギター)にひと月ほど前に聞いたお話で、
「材料は日本以外(スペインが良いとのこと)で7年以上シーズニングされた材じゃないとダメ。」とおっしゃっていました。
これは山口さんが長年懸けて(そーとー長い)研究をし、どこぞの大学(忘れた)の教授と話をしてたどり着いた結論(山口さんは当初シーズニングは6年と考えていたらしい)話が長いのでここには書けませんが、とても説得力のある話でした。
ギター製作をする私の友人は「一人で作り上げたギターは音が良い」と言います。
これは自分もギターを作ってみて「なるほど。」と思いましたが、多分これは彼がもともとリペアマンで、
私も修理屋である事が大きく作用しているのだと思います。
私が思うに修理屋は全てのパーツにおいて説明の出来ないツボのようなものを体得している気がします。
それでは、これらを踏まえれば良いギターが出来るかと言えばそーでもない。
やたら高価なくせしてロクな音しないギターもあるし、2~3万の大量生産ギターでも「おっ!?」なんていうギターもたまにあります。
「そしたら良いギターが出来るのは偶然なのですか?」と言えば、それは、絶対に違います。
良い楽器を作り続けている製作家やメーカーは沢山あります。
じゃー私は何が言いたいか? 書いているうちに分からなくなってしまいましたが、断言します。
気に入ればそれは良いギターです。
じゃーもうひとつ「その修理屋のツボとやらで俺のギターも良くしてくんな!」
って言う人いると思います。
ナットを変えただけでグッと良くなる場合もあります。
修理後、鳴りが悪くなる場合もあります。しかし元が悪くなければ、弾き続けることによって必ずもっと良くなります。
書きはじめはちゃんと話の落とし所があったのですが・・・思い出したらまた書きます。
H23 3/2