※こちらで紹介しているネックリセットの手順は約15年ほど前に用意したページです。近年までこの方法でネックを取り外しておりましたが、現在では蒸気によるネックの取り外しは行っておりません。
ネックリセットの大まかな流れ
STEP 01
まず第15フレットを抜いてここに穴を開けます。
STEP 02
15フレットの下あたりにダブテールジョイントのポケットがあるのでここからスチームを当てて接着を弱めます。
STEP 03
トップ面の指板を剥がします。
STEP 04
スチームを用意して、先ほどの穴から蒸気を送りこみます。
STEP 05
ジョイント部分に蒸気が溜まってどんどん噴出してくる熱湯をタオルで一所懸命拭きます。（一所懸命拭かないと塗装が傷んでしまいます。アチッー！）
そして時々熱湯を抜いてジョイント部に力を加えて接着を緩めていきます。
これを何度か繰り返します。
STEP 06
いい頃合いを見てヒールをボディから押し出してやります。 写真が撮れないのでギターは寝かして撮りました。 ネックが外れる寸前。
STEP 07
無事取れました。 品番とシリアルが書いてあります。 それと指板から穴を開けた時のドリルの跡も見えます。
STEP 08
– Neck ReSet –
何日かほっといて良く乾かしたら残っている接着剤をきれいに取り除きヒールを削って角度を決めていきます。最初は大まかに鑿で落としちゃいます。（大まかと言ってもいい加減じゃないよ）
STEP 09
写真が無いのですが、ヒールをピタッと決めるにはネックをセットした状態で布製のサンドペーパーを用いて仕上げます。
STEP 10
ネックの角度は勿論大事なのですが、センターラインがずれないように気を付けなければなりません。
ナットの溝の位置がおかしい事もあるのでよーく注意します。
STEP 11
ヒールが動かないようにシムを入れます。
シムを入れてセンターラインがずれないようによーく注意します。
STEP 12
接着前の仮セッティング。 接着前ですがテンション掛けても角度、センターOKです。 よーし！接着するぞー！
STEP 13
接着剤はタイトボンドです。 間違ってもエポキシ系の接着剤などは使ってはいけません、次の世代の人が修理出来なくなっちゃいますから。 接着中は写真が撮れないので（速やかに作業を終了させなければならないので）次は接着後からの作業になります。
STEP 14
接着材が固まったらフレットをすり合わせます。 最初に抜いた第15フレットを打って、他に浮いているフレットがあれば修正します。
（このギターの場合フレット浮きがひどすぎたので全部抜いて打ち直しました）
STEP 15
今までのは仮のサドルなので、サドルを作り直します。
最初はこんなのでした。
STEP 16
きつ過ぎず、緩くなく。
STEP 17
OK！後は微調整。
STEP 18
ヒールもぴったりきれいに出来ました。
反対側もOKです。
だいぶ駆け足気味に紹介しましたがネックのリセットはだいたいこんな感じです。
Gibson L-1 1926 「修理実績のページへ」
STEP 01
この短いブリッジは初期のオリジナルデザインですね。
STEP 02
ネック角度が大きく狂っているのでリセットします。
STEP 03
いきなり出来上がりです。
貴重なビンテージの修理はやらせていただいて光栄です。
STEP 04
指板の厚さはローズウッドを足して調整。
STEP 05
☆ カッコよいです。
Hummingbrid / Guild D-40 「修理実績のページへ」
STEP 01
ギブソン、ギルドのネック外しはいつも苦労しますが、
きれいに外れるとうれしいです。
今まで何本外したか分かりませんが、最近自分でもうまくなったと思います。
STEP 02
いや、たまたま続いてるだけ？塗装修正しなくて良いです。
STEP 03
塗装修正無しです。
